2023年に世界で記録された死刑の執行件数が、過去8年で最多となったことが、人権擁護団体「アムネスティ・インターナショナル」の調査で明らかになった。複数の中東国で執行が急増したという。
2023年に世界で記録された死刑の執行件数が、過去8年で最多となったことが、人権擁護団体「アムネスティ・インターナショナル」の調査で明らかになった。複数の中東国で執行が急増したという。
法相宛ての要請書を提出後、会見する裁判員経験者の田口真義さん(右から2人目)ら=20日、東京・霞が関の司法記者クラブ(滝口亜希撮影) 裁判員制度が21日に施行15年を迎えるのを前に裁判員経験者のグループが20日、裁判員裁判で判断対象になる死刑の執行に関する情報公開や、公開までの執行停止を求める要請書を法相宛てに提出した。 平成21年に始まった裁判員制度では今年2月末までに46人に死刑判決が言い渡され、複数人に死刑が執行された。 要請書は裁判員が「死刑の実態について十分な理解がない状態で評議に臨んでいる」と指摘。情報公開などで死刑に関する議論の機会を設けるのは国の責務であり、「正しい情報や知識で国民的議論をした結果が、正当性ある刑事政策を支える」としている。 要請書は死刑制度の是非には言及せず、制度に賛同する裁判員経験者も参加した。要請書をとりまとめた経験者の田口真義さんは「裁判員は懲役刑も
死刑執行の告知を当日に行うことが「尊厳を持って最期を迎えることができない」などとして死刑囚2人が国を訴えた訴訟で、大阪地裁は15日、原告の訴えを全面的に退けた。死刑執行を巡っては、かつては執行前日までに死刑囚本人に告げていたケースがあったが、死刑囚が自殺する事案が発生し、現在の運用に変更された経緯がある。 関係者によると、昭和50年ごろまでは、前日までに告知されたケースがあったとされる。これにより、家族との最期の面会などが可能だった一方、本人が執行前に自死したケースもあった。こうしたことから、国は現行の執行1~2時間前告知という運用に変更したという。 今回の訴訟でも、国側はこうした経緯を説明。当日の告知には「死刑囚の心情の安定を図り、自殺や暴動を回避する目的がある」などと正当性を主張していた。 死刑執行の当日告知 違法性なし
死刑廃止を求める日本弁護士連合会の呼びかけで、民間の識者らによる「日本の死刑制度について考える懇話会」が発足した。 委員には平沢勝栄衆院議員や林真琴前検事総長、金高雅仁元警察庁長官らが名を連ね、日弁連が事務局を務める。今秋にも提言をまとめて政府に働きかける方針だ。 懇話会は設立趣意書で「死刑制度の廃止は国際的潮流で、先進国で国として統一して執行を続けているのは日本だけ」としている。議論を廃止に導こうとしている疑いが強い。 座長に就任した井田良・中央大大学院教授は、昨年11月の日弁連のシンポジウムで「死刑制度には致命的ともいえる問題点がいくつもある」「応報的な刑罰論から脱却すべきだ」と発言している。 日本は死刑制度を有する法治国家である。裁判員裁判でも厳刑相当の事件には死刑判決が出されており、制度は社会に定着している。なぜ、今提言を出す必要があるのか。 死刑のない英国やフランスなどでは、容疑
未解決事件の被害者遺族らでつくる「宙の会」は16日、東京都内で会見を開き、犯罪抑止のために死刑制度は必要不可欠だとする提言を発表した。死刑廃止を求める立場の日弁連が事務局を務め、法曹関係者や国会議員らが参加する「日本の死刑制度について考える懇話会」が2月に設立されたことを受けたもの。 宙の会は、2019年の国の世論調査で「死刑もやむを得ない」と答えた人が8割だったことに触れ、死刑廃止は「世論を尊重していない」「遺族感情を重んじていない」としている。 1996年に東京都葛飾区で次女=当時(21)=を殺害された同会会長の小林賢二さん(77)は「(死刑の代替刑として日弁連が提言している)終身拘禁刑では不十分だ」と強調した。また、殺人事件の被告や受刑者らに対する損害賠償請求訴訟で支払いを命じる判決が出た際、国が被告らに代わって遺族に賠償し被告らに請求する代執行制度を確立するべきだとの認識も改めて確
青葉被告の弁護人が控訴 死刑判決に不服―大阪高裁 2024年01月26日19時03分配信 京都アニメーション放火殺人事件で、青葉真司被告の判決公判が開かれた京都地裁の法廷=25日、京都市中京区 京都アニメーション第1スタジオが放火され、36人が死亡、32人が重軽傷を負った事件で、京都地裁で死刑判決を受けた青葉真司被告(45)の弁護人が26日、判決を不服として大阪高裁に控訴した。 「死刑」に大きくうなずく 判決理由に首かしげる場面も―発言機会も「ありません」・青葉被告 25日の京都地裁判決は「善悪を区別し、犯行を思いとどまる能力は著しく低下していなかった」と指摘。心神喪失か耗弱状態だったとする弁護側主張を退け、刑事責任能力があったと判断し、求刑通り死刑を言い渡した。 青葉被告は公判で起訴内容を認め、被告人質問では事件の動機として、京アニが自身の小説を落選させたり、盗用したりしたと主張していた
さいたま市内の閑静な住宅街。田畑も点在するのどかな一角に、京都アニメーション放火殺人事件を起こした青葉真司被告(45)が、生活保護を受けながら暮らしていた2階建てのアパートがある。 コンビニ強盗事件で服役し、刑務所で統合失調症と診断された被告は、出所後にメンタルクリニックに通院しながら訪問介護を受けていた。 しかし頻繁に服薬を中断、平成30年5月には自宅を訪ねた看護師に包丁を持ってすごんだ。「つきまとうのはやめろ」 妄想の症状は悪化し、翌年3月にはスマートフォンを解約。訪問介護も無視し、自ら治療を絶った。京アニの裁判で提出された証拠によれば、ケースワーカーはこの時点で「他害の恐れあり」と危惧していた。 「自分の人生を振り返ると、人とのつながりが完全になくなったときに犯罪行為に走るという共通点がある」(被告の公判供述) 孤立した被告はこの年の6月、JR大宮駅前で無差別殺人を計画した。東京・秋
法務省と最高裁によると、死刑判決が確定し執行されていない死刑囚は、今年末時点で107人になる見通しだ。法律は12月29日以降の年末は執行しないと規定し、今年は2020年以来3年ぶりに死刑執行がなかった。3人が病気などで死亡し、新たに3人の死刑が確定した。 死刑囚「じゃあね…」薬物を投与される直前の言葉 刑務所長は涙あふれそうに 今年10月、裁判をやり直す再審が静岡地裁で始まった袴田巌さん(87)は釈放されているため、刑事施設に収容中の死刑囚は106人になる。 死刑が確定したのは、14年に川崎市の老人ホームで入所者3人を転落死させた元施設職員今井隼人死刑囚(31)ら3人。このうち、フィリピン・マニラで山梨県の男性2人を保険金目的で殺害した岩間俊彦元死刑囚(49)は、判決確定後の今年8月に病死した。 死亡した3人は岩間元死刑囚のほか、09年の鳥取連続不審死事件で男性2人を殺害した元スナック従業
米南部メキシコ国境の町テキサス州エルパソで23人が殺害された2019年の銃乱射事件で、現地の連邦地裁は7日、ヘイトクライム(憎悪犯罪)などの罪に問われたパトリック・クルシウス被告(24)に終身刑を言い渡した。被告は90件の起訴内容を認めており、刑期は終身刑90回分となる。米メディアが伝えた。 被告はメキシコ人らを標的にしていたとされ、犯行直前にはヒスパニック(中南米系)住民によるテキサス州への「侵略」を警告する文章をインターネットに投稿し…
刑事裁判は誰の、何のためのものなのか。罪を犯した被告の制裁と更生機会の提供、あるいは被害者側の処罰感情反映の場といえそうだが、広くとらえれば「よりよき社会のため」であるべきだろう。 だが、必ずしもそうとは思えない判決に行き当たることがある。福島県三春町で令和2年、刑務所に戻ろうと考え面識のない男女2人をトラックではねて殺害したとして、殺人や道交法違反(ひき逃げ)などの罪に問われた盛藤吉高被告の控訴審判決で、仙台高裁は2月16日、死刑とした1審福島地裁郡山支部判決を破棄し、無期懲役を言い渡した。事件の経緯などを振り返り、2審が社会に寄与する判決だったのかどうか考えてみたい。 1審、2審判決などを総合すると、事実関係はおおむね次の通りだ。
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