「つまづいたっていいじゃないか、にんげんだもの」。今年、ノーベル経済学賞を受賞したリチャード・セイラー教授(行動経済学)は相田みつをファン。衝動買い、飲み過ぎ、ギャンブル…分かっちゃいるけどやめられない、だって「にんげんだもの」。でも、こうした人間心理を逆手にとれば、より良い選択をするように誘導できる。セイラー教授が“ナッジ”と名付けたこうした仕掛けを紹介。 うまく応用すれば家でも会社でも、人生はうまく行く!?
製品やサービスの開発で新しいアイデアを生み出していくには、プロジェクトの情報量の管理も重要だ。日本初のイントラネット構築、USBメモリの発明など、幅広い業種のイノベーションに携わってきた濱口秀司氏に、発想重視の「クリエイティブプロジェクト」の進め方について聞いた。前回記事はこちら、前々回記事はこちら。 悪魔のチャートの「ラストミニッツクライシス」とは? --発想が中核となるクリエイティブなプロジェクトをどう進めていくべきか。濱口さん流の方法論を教えてください。 まず、クリエイティブなプロジェクトの時間軸についてお話ししましょう。 プロジェクトには必ず、スタートとエンドがありますが、通常まずスタート時には競合調査やユーザ調査など情報収集のフェーズを経て、その情報をもとにチームでアイデアを考えていきます。こうして最終的なプロジェクトエンドには、何かしらの成果物が出されていることになります。 図
USBメモリや日本初のイントラネットの開発に携わった実績を持つビジネスデザイナーの濱口秀司氏は、商品やサービスの機能やデザインに加えてストーリーの重要度が高まってきているとみている。濱口氏がストーリー性、ストーリービルディングを現在どのように捉えようとしているかを語っていただいた。 顧客が見る価値の変遷—機能、デザイン、ストーリー monogoto 濱口 秀司 氏 ――最近、注目されているという「ストーリー」についてお考えになっていることをお聞かせください。 まず、「顧客が見る価値」の変遷をざっと見てみましょう。 30年前は機能、「利便性の時代」でした。家電業界を思い浮かべていただくとわかりやすいと思います。たとえば、3万円の洗濯機には機能が3つ、5万円なら機能が5つ付いている。測ってわかる、見てわかる価値が評価された時代です。 20年前には、「機能にデザインという新しい価値がプラス」され
人口約7万人の佐賀県鳥栖市をホームタウンに持つサガン鳥栖。5月には、来場者自身が試合観戦後にチケット代を決める「一夜限りの『値段のないスタジアム』」を実施し、話題を集めた。今シーズンは過去最高の平均観客数を記録する見込みのサガン鳥栖は、いかにファンの心をつかんだのか。 サガン鳥栖はことし、創設20周年を迎えた。11月18日に開催されたFC東京との20周年記念マッチでは、当日限定の記念ユニホームをを配布。通常はブルーやピンクのユニホームだが、濃いめのグリーンに迷彩柄をあしらった。選手も同じユニホームを着てピッチに立ち、みごと勝利を勝ち取った。 選手の声がクラブを刺激、集客アイデアにつながる サガン鳥栖は、5月27日に本拠地ベストアメニティスタジアムで開催された2017明治安田生命 J1リーグ第13節、コンサドーレ札幌戦で「一夜限りの『値段のないスタジアム』」を実施。来場したファンが、試合の内
JIN西口氏に訊く、日本企業のオープンイノベーションが加速しない理由──解としての「SDGs」 Vol.1 #1 一般社団法人Japan Innovation Network 西口尚弘氏インタビュー 11月8日、経団連が7年ぶりに「企業行動憲章」を改定した。その大きなポイントが、今回のインタビューテーマである「SDGs(持続可能な開発目標)」だ。日本の大手企業が「社会課題の解決」にビジネスの軸を置くことへ舵を切った、象徴的な出来事だ。 日本企業のイノベーション経営を促進することを目的に、2013年7月に設立した一般社団法人Japan Innovation Network(JIN)。経済産業省「フロンティア人材研究会」の提言を実行する組織として様々な取り組みを進めている。その1つが国連総会で採択された「SDGs(持続可能な開発目標)」をイノベーションの機会として捉える「SHIP(SDGs H
UberやGoogleなどIT企業が都市をつくり変える──21世紀型の都市のかたちとは Creative Circuit #1:ゲスト 多摩大学大学院教授 紺野登氏(第2回) 「イノベーション」が起こる“場”として、IoTなどの文脈でもその注目度が増す「都市」。また、シェアリングエコノミーの主戦場となる「地域」や「都市の街区」。イノベーションが起こる場に注目が集まっている。連載『都市と地域のイノベーション「Creative Circuit」』では、都市と地域のイノベーションが起こる場・生態系を「Creative Circuit」と命名し、その生態系にどんな要素、どんなプレイヤーが必要なのかなどを探索する企画である。 第1回のゲストは多摩大学大学院教授 紺野登氏。前回は、都市や地域の課題を議論した。本編では、IT企業がテクノロジーで進化させるこれからの都市と、21世紀型の都市に必要となる「構
ロングセラーの課題は未来の売上をつくること ロングセラーブランドの多くは「みんなが知ってくれているけど、積極的に選ばれることが少なくなってきた」というジレンマを抱えているのではないでしょうか。 毎年たくさんの新商品がリリースされる中、ロングセラーブランドがトレンド感や新鮮味にかけてしまう(=トークバリューが低い)のは、ある意味当然かもしれません。しかも、いまの成熟した世の中では、競合の品質がいいのは当たり前。さらに低価格を売りにしたPB商品なども台頭してきています。結果的にカテゴリートップのブランドといえども、昔に比べ相対的に存在感がなくなり始め、最悪の場合、コモディティ化してしまうかもしれません。 そんな状況下でロングセラーブランドが存在し続けていくためには、これからも“選ばれ続ける”仕組みをつくらなければいけません。そのためには、ブランドの新たなファンを常に獲得していくことが大切なので
マークスタイラーが9月1日に開催した、同社ブランド「MURUA(ムルーア)」と「EMODA(エモダ)」のファッションショー「2017 AUTUMN / WINTER "ME" COLLECTION」は、どんな成果を収めたのか。それぞれのブランドを手がけるキーパーソンに取材した。 「"ME" COLLECTION」招待客を迎えるボード。最近ではマークスタイラーでこうしたイベントは珍しく、久々に店外で顧客と直接にコミュニケーションが取れる機会となったようだ 約700人の優良顧客を招待 関西からもショーへ参加 マークスタイラーは9月1日、同社が手がけるブランド「MURUA(ムルーア)」「EMODA(エモダ)」のファッションショー「2017 AUTUMN / WINTER "ME" COLLECTION」を東京都内で開催した。「ME」は、両ブランドの頭文字を取ったもので、イベント用にロゴなども制作
【前回】「現代の女子たちが“インスタ映え”したい理由は、承認欲求だけなんかじゃない」はこちら 自分のスタイルに合う美容師さんと出会えた 先日、2年前に東京に上京してからはじめて、行きつけの美容院ができました。最初に訪れるようになったきっかけは、美意識の高い友人からの紹介。 「この人の紹介なら間違いない!」と信頼して出向くと、実際に誰に担当してもらっても本当に素敵な美容師さんばかりで、しばらくはいろんな方にお願いしていたのですが、最近はひとりの美容師さんを指名するようになりました。 りょかち 1992年生まれ。京都府出身。IT企業の社員として働く傍ら、通称「自撮ラー」を名乗り、SNSに自撮りをアップし続ける自撮り女子。若者文化やセルフィーアプリに関心を持ち、インターネット文化についての取材も多数受ける。著書に『インカメ越しのネット世界』(幻冬舎刊)。ツイッター: @ryokachii その方
米菓のNo.1ブランド※である亀田製菓「亀田の柿の種」は、新規層の獲得に向けたキャンペーンの告知で、「DELISH KITCHEN」を活用。ターゲット層へのリーチに加えて、流通からの高い評価を獲得することができた。企画の狙いから成果について、同社 マーケティング部 一丸和也氏と、「DELISH KITCHEN」マーケティングソリューションズ マネージャーの三ツ中菜津美氏に聞く。 「亀田の柿の種」を使ったおかずやスイーツを開発 一丸:「亀田の柿の種」の主な購入層は40 ~ 60代の主婦で、一般的に“お父さんのおつまみ”というイメージを持たれています。今回のプロモーションではそのイメージを払しょくするためにも20 ~ 30代の女性を中心に若年層にもリーチしたいと考えていました。 また若年層は柿の種を自分で購買する機会が少なく、“自分ごと化”してもらう企画として「10 on 10 Best Ma
【前回の記事】「Wantedly騒動に学ぶ、ネットの悪評を削除するリスク」はこちら ファンは「認識しにくい外部資源」 「ロイヤルユーザーやファンは企業にとって重要な資源となりえるが、一般的には認識しにくい資源であり、見落とされがちではないか」 書籍『なぜ「戦略」で差がつくのか』の著者としても有名な資生堂の音部大輔さんは、こんな問題提起を、「アンバサダーカンファレンス」(アジャイルメディア・ネットワーク主催)の基調講演でされました。 このイベントは「アンバサダープログラムアワード」の受賞式を兼ねて、筆者とアジャイルメディア・ネットワークで企画しているもので、音部さんの基調講演をはじめ、ファンやアンバサダーを重視したマーケティングアプローチを取っている企業のプレゼンテーションを軸に実施しています。 音部さんは、著書の中で「戦略とは目的達成のための資源利用の指針」であり、資源には内部資源と外部資
複数企業間のアライアンス、データ連携の動きは確かに見られるようになってきましたが、それは必ずしも、すべての企業にとっての"正解"ではないようです。独自のポイントプログラムを提供し、独自の顧客基盤を築き、独自の経済圏の構築を目指す企業の動きもまた相次いでいます。スターバックスの取り組みと、その背景にある考え方を聞きました。 スターバックスは9月、グローバルで展開するロイヤリティプログラム「STARBUCKS REWARDS(スターバックス リワード)」(以下、リワード)を日本でもスタートさせた。 プリペイドカード「スターバックス カード」をWeb登録またはモバイルアプリ登録することで参加でき、「新商品の先行購入」「コーヒーセミナーへの先行予約」といったさまざまな会員特典を受けられる。また、Web登録済みのスターバックスカードで店舗での支払いを行うたびに付与される「Star(スター)」を集める
いまだに認知や新規売上を上げるだけのマーケティングをしていませんか? マーケターに最適なAIソリューションを提供するマルケトの福田康隆は、本格的な変革が始まろうとしている今こそコンフォートゾーンを飛び出し、デジタルマーケティング領域への挑戦を薦める。 先日BNLで紹介したインスタグラムなどのSNSにハッシュタグ付きで共有した写真をプリントできるサービス「#SnSnap」がさまざまな大手企業に導入されているというのは、それが企業と顧客との長期的な接点、すなわち「エンゲージメント」をつくるのに有効だからだ。ビジネスの現場でこの「エンゲージメント」という言葉を聞く機会が日に日に増えている。 「顧客とのエンゲージメント」をテーマにした国内最大級のマーケティングイベント「THE MARKETING NATION SUMMIT 2017」が米国では今年4月に、日本では10月13日に開催された。 なぜい
記事内容の要約 タクシー内にデジタルサイネージを設置し、短い移動時間でも見られるウェブコンテンツや動画などを配信 サービスのデジタル化を推進するには、乗務員のITリテラシー向上も重要 事前確定運賃の実証実験など、データを活用したデジタル施策に今後も取り組む タクシー事業を取り巻く環境変化に危機感をもち、デジタルによる変革を推し進めようとしている日本交通株式会社と、同社のIT化をけん引するJapanTaxi 株式会社。現在、360万ダウンロードを超える配車アプリ「全国タクシー」を軸に、新たなサービスの検討に取り組んでいる。よりよい乗車体験を提供するために、同社はどのような施策を進めているのだろうか。 タクシー車内でなぜ「デジタルサイネージ」なのか タクシーの平均乗車時間は18分。この短い間に、どれだけ快適な乗車体験を提供できるかが、リピーター獲得に向けたタクシー会社の課題といえる。そこで、J
花王の勝ちパターンはかつて、「お客様の声に基づいた商品作り」と「大量のテレビ広告」だった。 しかし、それだけでは商品が売れなくなっている。それはなぜか、いかに克服すればいいのか、第3回シナプスCMOセミナー※での花王株式会社デジタルマーケティングセンターの石井龍夫氏の講演からさぐってみる。 ※ シナプスCMOセミナーとは? 経営とマーケティングのコンサルティングをコア事業とする株式会社シナプスが、卓越したマーケティング活動を実行している企業のCMO、マーケティングの責任者の方を招聘し2,3か月毎に行うセミナーで、今回(2017/9/21)が3回目の開催となる。 上図の調査結果を見ると、洗剤に求めることが「白く洗える」から「いやな臭いがとれる」へと変化していることがわかる。 その他、実際の暮らしを長期的に観察するエスノグラフィ調査やお客様から相談内容をデータベース化したものを社内のさまざまな
【おすすめマーケティング記事】 デプスインタビューで人の隠れた本音を探るための方法・メリットやデメリット・ポイントまで徹底解説
顧客中心とはカスタマーサービスの向上ではない フェイダー教授は、企業を大きく「顧客中心」と、「プロダクト中心」の2つの枠組みに分けています。 一般的な企業のビジネスモデルは、すべてプロダクト中心に構成されています。それは企業の組織体制を見れば分かり、供給体制のサプライチェーンにそって構成され、商品を大量に製造し、そのスケールによって利益を確保しながら、幅広い販売拠点で大量に売りさばくモデルです。 ウォルマートやコストコも小売業として大量陳列販売モデルが基本にあり、彼らのノウハウは主に「いつ、どこで、何が、どのくらい売れるか」というデータの集積にあり、そこには購買する顧客のデータはビジネスの前提になっていません。 たしかにウォルマートやコストコにも、ロイヤリティプログラムや会員組織はあるかもしれません。しかし、そのデータは顧客への理解を推進するために使われているというよりも、上記のプロダクト
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