「人生は90歳からが面白い」とちゃめっ気たっぷりだ。2月に卒寿を迎え、画業60年、アンパンマン誕生40年、映像化20年のメモリアルイヤーに、「元気な老人の星になります」。 アンパンマンは当初、大人向けの物語だった。太ったさえないおじさんがアンパンを配る絵を描いた。「本物の正義はひもじい思いをしている人を助けることだ」。絵本の出版で今の原形ができたが「幼児にうけるとは思わなかった」と述懐する。 持病で入退院を繰り返す今も、創作意欲は衰えない。「頼まれると断れなくて……」。8時間は机に向かい月刊誌などに新しい作品を描き続ける。「だめと思ったらだめになる。見えっ張りだから元気に振る舞っている」 85歳を過ぎてから、人生がますます楽しくなった。「女の子に触っても怒られないし、おしゃれもできる。ほめられることばかり」。服も自分で見立て、粋に着こなす。「アニエスベーやドルチェ&ガッバーナなど、デザイン