多民族国家である米国では今、人種やアイデンティティーの概念が変わりつつある。もはや外見だけで人種を判断することは難しい。 文=リーサ・ファンダーバーグ/写真=マーティン・ショーラー 単なる顔写真を集めただけなのに、興味を引かれるのはなぜだろう。一つの顔に、さまざまな人種の特徴が混在しているからだろうか? 米国勢調査局が複数の人種の先祖をもつ、いわゆる混血の国民について詳細なデータを集め始めたのは2000年から。国勢調査で、自分の人種を答える選択肢を二つ以上選べるようにしたのだ。すると、680万人が複数回答をした。10年後、その人数は約1.3倍に跳ね上がった。白人、黒人といった人種の回答で最も増えているのが、この「複数の人種に属する」人々だ。 18世紀後半、ドイツ人科学者ヨハン・フリードリッヒ・ブルーメンバッハは、ヒトを赤、黄、茶、黒、白という五つの「自然的変種」に分類した。国勢調査の選択肢
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