ブックマーク / yosyan.hatenablog.com (12)

  • 日曜閑話16 - 新小児科医のつぶやき

    今日のお題は「お金」です。いちおうアメリカ発の金融恐慌に便乗したネタですが、金融恐慌とはとりあえず関係ない江戸時代のお話です。江戸の通貨といえば小判とか寛永通宝みたいなものが思い出されますが、有名なお話として江戸と大坂では通貨が異なったと言うのがあります。当時は通貨自体が価値を証明する位制でしたが、江戸は金位制、大坂は銀位制でした。こういう体制を金銀複位制と言うらしいのですが、江戸時代はさらに銭も金貨や銀貨と独立しており、さらにさらに裏で米位制も働いている通貨制度と言えばよいのでしょうか。 金貨・銀貨・銭貨の交換も幕府が公定レートを作って交換されるわけではなく、すべて民間に任せられ、悪徳商人の権化みたいに時代劇では描かれる両替商が必要になるわけです。一化して固定化しても良さそうなものですが、幕府は最後まで基的にこの通貨体制で過ごし、一化されるのは明治政府が成立してからの事に

    日曜閑話16 - 新小児科医のつぶやき
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    kodaif 2008/11/30
    ”こういう現象は江戸期を通じて維持され、サブプライムローンのように破綻しなかったのは、貸した相手が倒産しない大名であったと言う点が大きいかと思います。”
  • 日曜閑話15 - 新小児科医のつぶやき

    今日のお題は「能寺」。でかいテーマなので場合によっては明日なり来週に続くになるかもしれませんが、とりあえず初めてみます。 能寺といえば信長と光秀なんですが、光秀像は後世の創作や憶測が多くどれが真実であるか見分けるのが非常に困難になっています。そもそもになりますが、信長と光秀を結ぶ一つの線である斎藤道三すら有名な割りに経歴がハッキリしない人物です。有名な説では光秀の叔母が道三の正室であり、その娘が信長の正室の濃姫であるというのがあります。つまり従兄弟の関係というわけです。 光秀が明智の一族であったのは確かと考えますし、明智一族が道三に最後まで味方して滅亡したのは信じてよい史実と考えていますが、光秀と濃姫が従兄弟かどうかを確認できる資料はないかと思われます。さらに言えば濃姫は歴史上では有名ですし、信長の正室ではありましたが、具体的にどういう役割、もう少し言えば信長にどういう影響を及ぼす地位

    日曜閑話15 - 新小児科医のつぶやき
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    kodaif 2008/11/23
  • 後方支援体制 - 新小児科医のつぶやき

    昨日の議論は良質だったのでそれを受けてのエントリーです。現在の医療の流れは崩壊から再生を考えるになりつつあるのですが、再生の構想を少し考えてみようがテーマです。再生には様々な意見があるのですが、当然のように理想論があり現実があります。理想論の展開だけなら幾らでもバラ色の夢を紡げますが、再生の日は50年も100年も先の話ではなく、5年から長くて10年内外の事であり、もっと早いかもしれません。そうなると現実から変えられない部分を踏まえないと完全な机上の空論になります。 変えられないものとして医療の供給戦力があります。厚労大臣は医師の頭数を増やすことを主張しています。これ自体が今後どうなるかもわからないのですが、現状を考えると大臣のプラン通り10年後に1.5倍に増やしても供給戦力は1.5倍にならないと考えます。現在の医師戦力は長年築き上げられた医師教育の伝統の上に培われています。長時間労働を当然

    後方支援体制 - 新小児科医のつぶやき
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    kodaif 2008/11/20
    ”もう一つ重要な事は医療崩壊と言っても震災の様に一瞬で目の前から崩れ去るものではありません。”
  • 冗長性 - 新小児科医のつぶやき

    アポロ13号の話を読んだのは映画化されるよりもっと前だと思うのですが、当時は上質のドキュメンタリーぐらいと考えていました。手許にが無いので記憶に頼りますが、月着陸を目指していたアポロ13号に突然の爆発事故が起こり、酸素も水も電気も大幅に失われた状態で奇跡の生還を果たすお話です。 生還できたポイントはいろいろあるのですが個人的には、 アポロ計画での豊富な冗長性 地上管制チームの優秀さ冗長性は当時聞きなれない言葉でしたが、大雑把に言うと重要な系統は複線配置にしておき一つの系統がダウンしても、もう一方の系統がバトンタッチして宇宙船の運用に支障を来たさないようにする仕組みとすれば良いでしょうか。宇宙船は打ち上げ能力の関係で無駄を省くのが大原則ですが、無駄を省く一方で冗長性装備をしっかり整えていたという事です。 アポロ13号の事故では皮肉にも冗長性の設計が不十分なところに発生し、それゆえに致命的に

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    kodaif 2008/11/18
  • トヨタからの明確な訓令 - 新小児科医のつぶやき

    この世の仕組みと言うのは様々な要因で成り立っているのですが、大きな要因に世論があります。為政者といえども世論と真っ向勝負する程の大物は滅多に現れません。世論は元来市井の声の集合智みたいな側面があるのですが、マスコミにより誘導される側面も多々あります。マスコミ人の自負である「世論はオレ様が作る」です。 マスコミは世論に巨大な影響を与えるのですが、マスコミはどこを見ながら物事の判断を行なっているかです。テレビがわかりやすいので例に取ると、一般に視聴率といわれています。視聴率のためなら俗悪批判もなんのそので受ける番組作りに驀進します。では何のために視聴率競争に狂奔するかといえば、視聴率の高い番組には高いCM料が支払われるからです。 誰でも知っているカラクリですが、テレビにとって一番重要な人物と言うか存在はCMを提供してくれる人です。テレビはCMでべていると言ってもほぼ間違いありませんから、CM

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    kodaif 2008/11/14
  • 阪南市立病院 - 新小児科医のつぶやき

    古い記事を掘り起こす時間が無いので記憶に頼って書きます。記憶違いがあれば訂正情報下さい。ここはもともと和歌山医大の派遣病院であったはずが、医師派遣を打ち切られとくに内科系医師が払底するという緊急事態に見舞われたはずです。なぜ派遣が打ち切られたかの内部事情もどこかにあったかと思うのですが、和歌山医大も苦しんでしょう。あそこも県立医大ですから県外に派遣するぐらいなら県内に派遣せよの圧力が、密かにどこかからあっても不思議ありません。 とにかくポッカリと診療体制に大穴が空き、医師がいなければ病院収入は生まれませんから赤字が見る見る激増します。最近で似たような事例なら千葉の銚子やもう少し前なら舞鶴も似た様な状態に陥りましたが、重大な判断を阪南市は迫られる事になります。何が重大かと言うと考えられるのは2つで、 市民への医療サービスの低下 阪南市の赤字再建団体転落危機阪南市が重視したのはどちらかと言うと

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    kodaif 2008/11/13
  • ため息の出る対策 - 新小児科医のつぶやき

    今日は休載の予定だったのですが、昨日のコメ欄が妙に盛り上がったので「つなぎ」の埋め草エントリーを出しておきます。11/10付産経ニュースより、 妊婦たらい回し防止 医師の情報自動で登録 厚労・経産省 新システム開発へ 東京都内で脳内出血の妊婦が相次いで搬送拒否された問題で、厚生労働、経済産業両省は10日、医師の稼働状況や受け入れ可否を判断できる最新鋭の情報伝達システムの共同開発を行うことを決めた。舛添要一厚労相と二階俊博経済産業相が同日、合意した。 現在のシステムは、「空きベッドの有無」「手術の可否」など受け入れ状況を「○」「×」で表示できる東京都のネットワークシステムが周産期母子医療センターなど24医療機関を結んでいる。だが、先月上旬、都内の妊婦(36)が8病院から受け入れを断られて死亡した際には、受け入れが「○」となっていた3つの病院が、実際には搬送を断っていた。医師らが診療に忙殺され

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    kodaif 2008/11/11
  • 墨東病院の算数 - 新小児科医のつぶやき

    天漢日乗様が首都圏産科崩壊 東京大空襲始まる(その9)墨東病院11月の当直表は地獄の様相 都は墨東病院の常勤産科医を労基法違反の過重勤務で殺す気かで先に論評されていますので完全な二番煎じですが、11/7にTOM様から頂いた11月の墨東病院の当直表です。 曜日 月 火 水 木 金 土 日 Date * * * * * 1 2 産科当直1 * * * * * A C 産科当直2 * * * * * B D 小児科当直 * * * * * イ ロ * Date 3 4 5 6 7 8 9 産科当直1 E A C I D E C 産科当直2 F G H J K * * 小児科当直 ハ ニ ホ ヘ イ ニ ト * Date 10 11 12 13 14 15 16 産科当直1 E F A I D F E 産科当直2 L G H J K H * 小児科当直 ヘ ロ ホ ハ チ ヘ ホ * Date 1

    墨東病院の算数 - 新小児科医のつぶやき
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    kodaif 2008/11/10
  • 日曜閑話14 - 新小児科医のつぶやき

    今日のお題は「ダンシング・ノート」。なんかののレビューと考えられる方もおられるかも知れませんが、ひょっこり思いついた「デス・ノート」のパロディです。直接のネタモトはデス・ノートですが、もう一つのネタモトはポケモンです。何か三題話みたいですが解説しておきます。 子供にせがまれてポケモン映画のお供をさせられた(現在も継続中)のですが、初期のポケモン映画は二立てでした。一編で、もう一がオマケのような短編と言う構成です。現在は長編一に変わっていますが、いつかの時に見た短編の方が妙におもしろかったのを覚えています。個人的には編の方はすっかり忘れてしまったのですが、短編はわりと覚えています。 短編なので複雑なストーリー構成などないのですが、ロケット団(いちおう敵役)があるアイテムを作り出します。指揮棒と言うかブラスバンドの先頭が持っている棒(あれも指揮棒と言うのかな?)みたいなものです

    日曜閑話14 - 新小児科医のつぶやき
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    kodaif 2008/11/09
  • カタログスペックの問題 - 新小児科医のつぶやき

    随分前なんですが、医療問題が真剣に考えられるためには首都東京で医療崩壊が起こる必要があると書いたら、総スカンをらいそうになった事があります。しかし不幸にもそれはついに表面化し、効果はある程度予想範囲内で起こっていると見ています。そういう不幸が表面化する前に防止するのが正しい事なんですが、世の中そうは行かないのが悲しいところです。 ところで初歩的な疑問なんですが、墨東の件も杏林の件も批判されているのは搬送先候補の医療機関です。搬送元の医療機関には批判は基的に起こっていません。当たり前そうな事ですが、搬送先候補の医療機関は「満床」とか「医師が足りない」と理由を説明しても批判は強く、決して「医療機関であり医師もいるんだから搬送元で何故治療をしないんだ」みたいな声は出ません。 搬送元の医療機関では治療できないは問題なく認められ、搬送先候補の医療機関で治療は無理と言うのは許さないの論調がベースで

    カタログスペックの問題 - 新小児科医のつぶやき
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    kodaif 2008/11/07
  • SARSの時の思い出 - 新小児科医のつぶやき

    新型インフルエンザへの対策があるそうです。調べようと思ったのですが、気力が湧かなくてSARSの思い出話でお茶を濁します。覚えている人もいると思いますがSARS騒ぎもひどかったもので、まさに「うろたえた」と言う感じです。流行当時もいろんな情報が飛び交い、日上陸後のパニックもしきりに唱えられていました。 今となっては確かめようが無いのですが、もしSARS患者を外来で診察したら診療所が閉鎖になるとか、病院も閉鎖になるとかの噂が医療関係者に流れていました。実際に閉鎖にならなくても当時の勢いからすれば、SARS患者入院中と言うマスコミ報道が流れたら、その病院の周囲に患者どころか人すらいなくなっても不思議は無い状態でした。 情報ばっかり飛び交っていましたが、実際のところ何にも対策をしていなかった当時の勤務病院の日曜当直をやっていました。平凡な当直のはずだったのですが、突如病院幹部が日曜出勤してくると

    SARSの時の思い出 - 新小児科医のつぶやき
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    kodaif 2008/11/04
  • 不良記事量産警報発令中 - 新小児科医のつぶやき

    ロハス・メディカル川口氏の斜陽から適宜引用させて頂きエントリーにします。 アメリカ金融危機は全世界的な規模で不況を巻き起こし、ちょっと出口の見えない状況です。株価が下がると言っても私のように持っていない人間には実感が薄いのですが、持っている人間には深刻な影響が出ます。大雑把な理解で申し訳ないのですが、今回の場合の株は金券みたいな物で、金額が株式市場で決められます。株式市場で1万円なら1万円の価値ですが、5000円となれば5000円の価値に下がってしまいます。 大企業の資産のかなり大きな部分は金券としての株として保有していますが、その額面が半分になれば資産価値もまた半分になります。何にもしていないのに株価が下がった分だけ損失を蒙る事になります。この損失は何で穴埋めされるかといえば、実業で穴埋めされます。つまり実業であげた収益が株価が下がった分でい尽くされると言う訳です。えらく単純な理解です

    不良記事量産警報発令中 - 新小児科医のつぶやき
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    kodaif 2008/11/01
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