8月10日の岸田文雄内閣の改造は成功とは言えない厳しい経過を辿(たど)っている。本来なら、物価高、新型コロナ、そして安保強化など喫緊の課題に対応する力を強めるものであったはずだが、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係が重大問題化してそれも吹き飛んでしまった。 このまま成り行きに委(まか)せることになれば、自民党、そして岸田内閣への不信感がさらなる支持率の急降下を招き、政権の統治力が著しく減衰することが避けられない雲行きだ。何としても岸田首相、そして自民党にはこの問題から逃げず、国民、有権者が心から納得する対応を示してほしいものだ。 第一に、自民党は、党内にこの問題を徹底調査する調査会を設置して事実関係を解明して発表する必要がある。この調査会に、学者、弁護士、言論人などの第三者が加わればその調査や報告への信頼性が格段に高まる。今のところ自民党は、党としての徹底調査の責任から逃げている印