三ノ輪橋(東京都荒川区)―早稲田(新宿区)の約12キロを結ぶ都電荒川線。かつて都電は至る所を走っていたが、残っているのは荒川線のみ。ほかの路線が廃止される中、なぜ残されたのだろう。 ◇ 三ノ輪橋停留場から都電荒川線に乗ってみた。1両編成のドアが閉まり、「チンチーン」という音とともに動き出した。 ゆっくりと進んだが、あっという間に次の停留場に。全区間で停留場は30あり、それぞれの間は平均で約420メートルしかない。 住宅を両側に見ながら都電専用線を走り、待機中の車両が並ぶ荒川車庫の前を過ぎて王子駅近くへ。この辺りは、乗用車やバスが前後を走る。大塚駅近くではJR線と交差した。 一般の車とともに信号を待つこともあり、走ったり止まったりしながら、終点の早稲田には約1時間で到着した。 荒川線の利用者数は、ここ10年間は1日あたり4万5000~5万2000人。黒字は2年のみだが、地域の重要な交通手段と