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ブックマーク / book.asahi.com (10)

  • 福井県立図書館「100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集」インタビュー レファレンスサービスは、なんでも聞いていいんです!|好書好日

    宮川陽子さん福井県立図書館 司書 1998年から福井県立図書館で司書として勤務。現在の担当分類は、建築や機械工学、家政学などを扱う「5類 技術」(日十進分類法)。読書バリアフリーサービスや寄贈図書の管理なども行なっている。同館の「覚え違いタイトル集」の発案者でもある。 福井県立図書館「覚え違いタイトル集」 レファレンスサービスの認知向上のために ――「覚え違いタイトル集」は、どういった経緯で生まれたのですか。 そもそもの始まりは大学時代の後輩が久世番子さんの漫画『暴れん坊屋さん』を勧めてくれたのがきっかけかもしれません。久世さんが書店でバイトをしていたときのことを描いた漫画で、お客さんが覚え違えているタイトルから「これですね」と正しいタイトルのを渡すシーンがあったんですよね。それを見て図書館のカウンターでも似たようなことがあるという話から、エクセル表で覚え違いの事例を集めていくことに

    福井県立図書館「100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集」インタビュー レファレンスサービスは、なんでも聞いていいんです!|好書好日
  • 学校教育に忍び寄るオカルト思想 原田実『オカルト化する日本の教育』より|じんぶん堂

    記事:筑摩書房 original image: beeboys / stock.adobe.com 書籍情報はこちら †教育現場は感動に飢えている ここ一〇年くらいの間に「江戸しぐさ」の道徳授業への導入や、親学の台頭と並行して教育現場に広まりつつあるものとして、大規模な組体操、1/2成人式、誕生学などが挙げられる。 小中高等学校の運動会などで児童・生徒たちによる組体操は、ピラミッドやタワーなどで次第にその高さを競い合う傾向があった。二〇一四年度には組体操関連で起きた事故が全国で八五九二件(独立行政法人日スポーツ振興センター調べ)に及んでいる。組体操で起きる事故の中には死者が出たり重傷者に重い後遺症が残ったりした例もある。 名古屋大学准教授の内田良の試算によると一五一人で構成される一〇段のピラミッドだと土台の中央部には一人あたり三・六人分の体重がかかる生徒がいる。中学三年男子の平均体重では

    学校教育に忍び寄るオカルト思想 原田実『オカルト化する日本の教育』より|じんぶん堂
  • 故・白川静さんの遺稿をもとに字書『漢字の体系』を編集 1字ずつ確認する膨大な作業が結実|じんぶん堂

    記事:じんぶん堂企画室 職場の机に向かう竹内涼子さん 書籍情報はこちら ルーペと小型キーボード 多くの出版社や書店が集まる東京・神田神保町のビルに平凡社はある。 編集者たちの机は、どれも多くの資料やが山積みされている。 その中のひとつ、竹内さんの机には、ルーペが置いてあった。物の上にのせて拡大して見るタイプのものだ。雑誌編集では写真の確認などに使うことが多い。 「漢字の字体が正しいかどうか、ゲラの確認に使うんです」 ゲラの確認に使うルーペ さらに机の奥には、パソコンのモニターとは不釣り合いな、小さなキーボードも見えた。幅22センチほど。電卓と見間違えそうなサイズだ。 「ゲラを広げる時に邪魔にならないよう小さなキーボードを使っています。これでもちゃんと打てますよ」 平凡社で「白川編集部」と叢書「平凡社ライブラリー」の編集長を務める竹内さん。入社して約30年になる。 高名な学者の担当に 竹内

    故・白川静さんの遺稿をもとに字書『漢字の体系』を編集 1字ずつ確認する膨大な作業が結実|じんぶん堂
  • 「苦学と立身と図書館」書評 公共の場から受験の勉強空間へ|好書好日

    苦学と立身と図書館 パブリック・ライブラリーと近代日 [著]伊東達也 「みんな脇目もふらず一心不乱に勉強してゐる様子だった。白鉢巻(はちまき)などしてゐるのも何人かゐた。受験生が圧倒的に多いらしかった。(中略)誰の目にもつく所の壁に、小さな字を一ぱいに書き込んだ短冊型の紙が何枚かぶら下がってゐる。(中略)それは来館者同士がおたがひに問題を提出し合ったり、解答し合ったりしてゐるのだった。」 これは書で引用されている、図書館内の様子を描いた1919年刊の文章の一部である。明治から大正にかけての日図書館は、資格試験や入学試験の合格を目指して学習する受験生たちが利用者の中で多くを占める「勉強空間」と化していた。それは、維新直後の岩倉使節団がアメリカで目撃した、地域社会のすべての人々に開かれたものとしてのパブリック・ライブラリーとはずれてゆく図書館の姿だった。 書は、こうした「勉強空間」と

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  • 差別や偏見を隠した「ずるい言葉」を解説 社会学者・森山至貴さんインタビュー|好書好日

    文:篠原諄也 写真:斉藤順子 森山至貴(もりやま・のりたか)社会学者 1982年神奈川県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻助教、早稲田大学文学学術院専任講師を経て、現在、同准教授。専門は、社会学、クィア・スタディーズ。著書に『「ゲイコミュニティ」の社会学』(勁草書房)、『LGBTを読みとく―クィア・スタディーズ入門』(ちくま新書)。 世の中の「ずるい言葉」はどこか差別に通じている ――森山さんは大学で学生さんに「自分が言われてモヤモヤした言葉」をヒアリングしたそうですね。特にどのような基準で選びましたか? 読者にとっての取っ掛かりが多いにしたかったので、特定の学問分野やジャンルの話だけにならないよう心がけました。女性差別やセクシュアルマイノリティ差別の事例だけでなく、血液型、障害者、ひとり親家庭などの話題も取り上げています。 ただ、どんな話題を選んでもやはりどこかで差別

    差別や偏見を隠した「ずるい言葉」を解説 社会学者・森山至貴さんインタビュー|好書好日
  • 「三体」柳下毅一郎さん書評 壮大で呆れるほど単純、これぞSFの原初のパワー|好書好日

    SFは若い文学である。 「SFの黄金期は十二歳である」という言葉は、その幼稚さを示すものだと理解されることが多い。だが、それは同時にSFの魅力を伝える言葉でもある。SFは未来の文学だ。そして未来への無限の想像力を持てるのは若者だけである。日SFの黄金時代が、日の高度成長期と重なりあっていたのも偶然ではあるまい。 だから今、中国SFこそが世界でいちばん勢いある存在なのである。 劉慈欣の『三体』の登場は衝撃的だった。それは日だけのことではない。アメリカでは二〇一五年、アジア人作家として、そもそも翻訳小説としてはじめて、アメリカSF界の最高賞とも言えるヒューゴー賞の長編部門を獲得している。バラク・オバマ前大統領からフェイスブックのザッカーバーグCEOまで、誰もが絶賛した面白さはどこにあるのだろう? ひとつには、シンプルで誰にでもわかるアイデアの力強さである。『三体』の主人公ナノテク研究者の

    「三体」柳下毅一郎さん書評 壮大で呆れるほど単純、これぞSFの原初のパワー|好書好日
  • 「三体」翻訳者・大森望さんインタビュー 「若かったころのSFの、野蛮な魅力に溢れている」|好書好日

    大森望(おおもり・のぞみ)翻訳家・書評家 1961年生まれ、京都大学文学部卒。SF作品を中心とした翻訳・評論を長く手掛ける。訳書に『クロストーク』(コニー・ウィリス著、早川書房)、著書に『21 世紀SF1000』(同社) など多数。 最初の印象は、すごく古臭いSF ――まずは未読の人向けに、第1部『三体』ストーリーのおさらいをさせていただければ。文化大革命で父を殺された中国の女性科学者・葉文潔(イエ・ウェンジエ)は、異星人との電波交信を試みる軍の秘密基地にスカウトされることに。計画は失敗に終わったとされましたが、彼女は軍には秘密で宇宙人との交信に成功、彼らの地球侵略の“手引き”をしていました。 四十数年後の現代、世界中で科学者が相次ぎ自殺する事件が発生。もう一人の主人公であるナノテク研究者の汪淼(ワン・ミャオ)は、原因究明の依頼を受け国際的な学術団体に潜入することに。科学的にあり得ない怪現

    「三体」翻訳者・大森望さんインタビュー 「若かったころのSFの、野蛮な魅力に溢れている」|好書好日
  • 「三体」監修・立原透耶さんインタビュー 中国SF界に現れた、突然変異的なスペースオペラ|好書好日

    文:ハコオトコ 立原透耶(たちはら・とうや)作家・翻訳家 1969年生まれ。ファンタジーなど幅広い作品を執筆。「ひとり百物語」シリーズ(メディアファクトリー)など著作多数。華文SFの翻訳も長く手掛け、最近も中国語圏の作家の作品を翻訳した『時のきざはし 現代中華SF傑作選』(新紀元社)を出版。 戦後、ソ連の影響を受けた中国SF ――翻訳・監修に多くの人が携わった「三体」シリーズ邦訳版ですが、立原さんは主に和訳された文章と中国語の原書と乖離が無いか、固有名詞やルビのミスが無いかなどをチェックする「総監修」を担当しました。華文SFに造詣が深く、翻訳も長く手掛けてきた立原さんですが、まずは三体の背景にある中国SF事情、歴史を教えてください。 第二次世界大戦後、中国ではソ連のSFが最初に(大々的に)影響したと思います。同じ共産国として中国の目指す科学技術立国、「頑張ったらこんな良い未来があるんだよ

    「三体」監修・立原透耶さんインタビュー 中国SF界に現れた、突然変異的なスペースオペラ|好書好日
  • 「建国神話の社会史」書評 押しつけられた教育現場の本音|好書好日

    建国神話の社会史 史実と虚偽の境界 (中公選書) 著者:古川隆久 出版社:中央公論新社 ジャンル:新書・選書・ブックレット 建国神話の社会史 史実と虚偽の境界 [著]古川隆久 天照大神の孫である瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が、葦原中国(あしはらのなかつくに=日)に降り(天孫降臨)、その曽孫である彦火火出見(ひこほほでみ)が紀元前660年に橿原宮で初代天皇(神武天皇)に即位した――『日書紀』は以上のように建国の由来を語っている。王政復古の大号令から始まった明治政府、そして大日帝国は『古事記』・『日書紀』の建国神話を正統性の根拠とした。 もちろん天孫降臨うんぬんがあくまで神話であることは、当時の日人も理解していた。神話を歴史の教科書に載せるべきではないという意見が教育現場で公然と語られた。神武天皇の即位年や欠史八代の天皇の異様な長寿は、中国の史書の記述や考古学・人類学の成果と矛盾すると

    「建国神話の社会史」書評 押しつけられた教育現場の本音|好書好日
  • 「自分にとっての普通や、正しいと思う感覚が通じない世界が確実に存在する」 Daichi Yamamotoの3冊|好書好日

    Daichi Yamamoto(だいち・やまもと) 1993年京都府生まれのラッパー。父は日人、母がジャマイカ人。19歳からラップとビートの制作をスタートさせた。その後、ロンドンの大学へ留学。帰国後にインターネットで自身が制作した楽曲を発表しはじめる。2018年にSTUTSのアルバム「Eutopia」の収録曲「Breeze」に参加したほか、Aaron Choulaiと共作したEP「WINDOW」などを発表した。19年9月に初のアルバム「Andless」をリリース。 ロンドン留学で体得した「学ぶこと」の質 Daichi Yamamotoは日人の父と、ジャマイカ人の母を持つ京都出身のラッパーだ。9月にリリースされた1stアルバム「Andless」は、ヒップホップ、エレクトロニカ、レゲエ、ファンク、ハウス、グライムなど、バラエティに富んだサウンドとリズムが詰まった作品のように感じられた。そ

    「自分にとっての普通や、正しいと思う感覚が通じない世界が確実に存在する」 Daichi Yamamotoの3冊|好書好日
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