慶應義塾大学(慶應)は9月9日、アルツハイマー病患者の皮膚細胞から、「人工多能性幹細胞」(iPS細胞)を作成することに成功したと発表した。今回の研究は同大学医学部神経内科の研究グループと同生理学教室との共同によるもので、成果は医学雑誌「Human Molecular Genetics」のオンライン速報版で公開される予定だ。 日本は急速な高齢化に伴い、認知症の患者数も比例して増えており、なんと2030年には約350万人に達すると予測されている。患者ひとりに対して3人の介護人が必要とされることから、2030年には1000万人以上が介護に関わらなくてはならなくなるという。日本にとってこのことは重要な課題であり、画期的な治療法や予防法が開発されることが希求されている現状である。 またアルツハイマー病は、認知症全体の約半分を占める最も頻度の高い神経難病だ。一般には65歳以降に記憶障害で発症し、確実に