ショウジョウバエの複眼(上)と、部分拡大した個眼の集まり(下)。個眼は普通は六角形だが(左下)、変異体によっては四角形になる(右下)。変異体の複眼は上下の幅が狭い(金沢大学提供) 生活を見渡すと、お風呂のタイル、ブロック塀、ボードゲームの升目などなど、同じ形が敷き詰められたパターンはわりと四角形が目につく。これに対し生物界では、冒頭に挙げたように六角形が多いという。この理由は、六辺の長さの合計が短くしかも構造が強くなるため、低コストで丈夫に空間を埋められるという物理的安定性にあると考えられてきた。 ところが、エビやロブスターの個眼は四角形で、シャコは四角形と六角形の混在なのだとか。ハエは普通は六角形だが、変異体は四角形のことがあるというから、物理的安定性だけで決まるわけではなさそうだ。ならば一体、こうした形はどんな仕組みで決まるのだろうか。