この連載では、1回目にプロジェクト・ポートフォリオ管理ツールが求められるようになってきた背景、すなわちCIOが抱える課題に触れながらプロジェクト・ポートフォリオ管理ツールが果たす役割について述べる。2回目でプロジェクト管理ツールが持つ機能を説明し、3回目にプロジェクト管理ツールを使いこなすための留意点について取り上げていく予定である。 CIOとCIOを支えるIT部門には社内のさまざまな事業部門から新しい案件が幾つも寄せられる。いまや、ビジネスプロセスはITの関与なしに成り立たない。しかし、IT関連予算には一定の枠がある。そのため、CIOは数多くの案件のうち、どの案件を優先すべきかを判断することが求められる。その際にCIOは、自社の企業戦略を基軸として多くの案件を評価しているのだが、その評価を公平に下し、社内のステークホルダーである事業部門の納得を得ることは容易なことではない。そんな課題に直