【バンダルスリブガワン=阿比留瑠比】ブルネイ訪問中の安倍晋三首相は9日午前、市内のホテルで同行記者団と懇談した。環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉をめぐり、これから本番を迎える最難関の農産品や工業品の関税撤廃を扱う「市場アクセス」分野の協議について「まさに今、強い交渉力を持って交渉している。守るべきものは守り、攻めるべきは攻める。国益を最大限守っていくために全力を尽くす」と強調した。 今秋の臨時国会に提出される特定秘密保護法案に絡み、森雅子担当相が「特定秘密」の指定に関する第三者機関の設置に言及したことについては、「一つの見識だと思うが、森氏から詳しく聞いているわけではない」と述べた。今後の進め方に関しては、「森氏に任せているが、与党とも相談しながら基本方針を決めていく」と指摘した。 首相が強い意欲を示す復興特別法人税の1年前倒し廃止の可否が、「企業の賃上げ」を基準に12月中に結論が