少し前、ある大手企業の情報システム責任者を長年務めてこられた方にお目にかかる機会があった。初めのうちは雑談していたのだが、最後は「経営トップのIT(情報技術)理解」という話題になってしまった。 「経営トップがITを分かっているかどうか、それが問題だとコラムや記事をお書きになっていますね。私も長年、分かってもらおうといろいろ取り組んできましたが正直、無理かなあというのが最近の実感ですね」 「御社のビジネスはコンピューターがないと成立しないでしょう」 「よくITは経営戦略そのもの、と言いますね。当社の場合、戦略と一体かどうかは分かりませんが、コンピューターが止まってしまったら、当社が潰れることだけは間違いありません。戦略というより、もはや生命線と言っていい。これほど重要なことなのに、経営トップの理解は残念ながらいま一つです」 100億円投じたのに期限までに完成しない 「コンピューターの機械は、
![ITの常識は世間の非常識:日経ビジネスオンライン](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/05f492a9ba706b05ca8fd61b1840b099fb59fdc9/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fbusiness.nikkeibp.co.jp%2Fimages%2Fn%2Fnbo%2F2011%2Fcommon%2Fnbologo_ogimage.png)