表題写真は、戦争末期に爆撃機B29からまかれた「紙の爆弾」、いわゆる「伝単」の一枚に書かれた文章です。戦争を継続しているのは軍閥であり、それを倒せば戦争が終わるといった趣旨で、一般民衆の決起を呼びかけていますが、特に効果はなく、結局政府首脳や天皇によってポツダム宣言受諾が決められ、民衆がかかわることなく戦争が終わります。 これに象徴されるのは、日本人の自主性のなさ、お上に従う根強い体質です。人間関係を上下でしかみれない、空気を読む、自分から行動しないのに文句はいう…。こうした日本人気質は、実は戦前から戦後、今日に至るまで変化していない様子です。 1948(昭和23)年8月10日発行の長野県内月刊誌「信毎情報」は、「忘れられる人々」と題し、グラビアで傷痍軍人の姿をルポしています。こちらは、バス車内の傷痍軍人の写真です。 足の不自由な傷痍軍人に席を譲る人もなく 「かつてわれわれをたたえた彼女た