スティーブ・ジョブズがCEOを退くというニュースが流れた。世界中ですでに100万回くらい語られていると思うのだが、これについてのわたしの見方は少し違っている。25年以上、毎週PCに関するニュースを追ってきたつもりだが、これが何を意味しているかということだ。 アップルが「世界最大のテクノロジーカンパニー」と書いている記事があった。これには異論のある人もいるのではないか? また、「ジョブズがマウスを発明した」と発信した通信社もあった。これは、歴史とテクノロジーというものを冒涜するものだ。ジョブズ自身が「テクノロジーとリベラルアーツの交差点」にいる会社だと言っているとおり、テクノロジーやリベラルアーツそのものではないというのが、アップルなのではないか。 実は、わたしもアップルといえば、なんとなくテクノロジーを生み出す会社だと思っていたことがある。かつて『月刊アスキー』編集長の時代に、「Quick