本を読みながら、暗澹たる気持ちになることがある。本書『出版の崩壊とアマゾン』(論創社)はとりわけその思いが強かった。日本の知的インフラを支えてきた出版・書店業界が「黒船・アマゾン」に翻弄されている。もはや打つ手がない。あとはこのまま完全なる「敗北」を待つだけ、という感じなのだ。 わずか10年で業界トップ 近年、出版界が相当の苦境にあることはよく知られている。本書にも多数の衝撃的なデータが紹介されている。日本の書籍・雑誌の販売金額は、2000年は2兆3966億円だったが、17年には1兆3701億円。出版社の数は20年前の4分の3になり、書店数はほぼ半減している。 様々な理由がこれまでも語られてきた。大型書店による寡占化。ネット社会の急進展。電子書籍やDマガジン。若者の活字離れなどなど。 本書が特に強調するのは2000年に日本に上陸したアマゾンの影響だ。わずか10年ほどで、業界トップの「書店」
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