アナリー・サクセニアン『現代の二都物語 なぜシリコンバレーは復活し、ボストン・ルート128は沈んだか』(日経BP社) 日経BPの新婚の竹内さんから献本いただいた。 以前ポール・グレアムがボストンとシリコンバレーの投資家の比較をし、シリコンバレーの優位性を書いていてふーんと思ったが、ボストンとシリコンバレーの比較はこの本が決定版だったんだな。ポール・グレアムの文章を読んだときは、お堅い東海岸とカジュアルな西海岸の精神文化の違いなのかな、で済ませていた。実際そういう面も確かにあるが、それだけでないのが本書を読むと分かる。 本書は、ボストンにおける MIT の電気工学教授ヴァネバー・ブッシュと DEC の創業者ケン・オルセン、シリコンバレーにおけるスタンフォード大学の電気工学教授フレデリック・ターマンと HP のウィリアム・ヒューレットとデビッド・パッカードというそれぞれの地のテクノロジー産業の