一気に読んだ。最初は座っていたのだが、そのうち立ち上がり、ぐるぐるして、最後は叫びっぱなしだった。 何を見ても何かを思い出す これは、エヴァとゴレンジャーとプリキュアのパロディであり、ナウシカとシンゴジとシンフォギアのリスペクトであり、どれみとどろろとまどマギの同人であり、火の鳥と寄生獣と日本沈没のオマージュである。ただし、どれも知らなくても無問題だ(後で説明する)。 これ、好きな人ならいくらでも幻視できる怪物で、どこを読んでも、何を切り取っても、どこかで観た・読んだ過去の作品とつながり、思い出し、いま目の前で進行する美麗で壮大で禍々しくもバカバカしい物語にオーバーラップする。 拡張現実から拡張虚構へ どっぷり漬かりながら、ふと気づく。これ、小説でARを実現した人類最初の作品ではないかと。AR、つまり拡張現実(Augmented Reality)をテーマにしたというのではなく、この怪作を読