経営が苦しい地方鉄道の存廃を議論する「再構築協議会」制度の運用が1日、始まる。1キロ当たりの1日平均乗客数(輸送密度)が千人未満の区間が優先される見通しで、岩手県関係ではJRの大船渡、釜石、北上、八戸、花輪、山田の6路線10区間が該当。JR盛岡支社は現時点で「すぐアクションを起こすことはない」とするが、長年の課題となる利用促進の必要性はいや応なく高まり、「地域の足」は岐路に立たされる。 本県関係の2022年度の輸送密度は、花輪線の荒屋新町-鹿角花輪間が55人と最も少なく、山田線上米内-宮古間が64人、北上線のほっとゆだ-横手間が90人と続く。6路線10区間はいずれも千人を下回り、収支も赤字だ。 JR東日本が利用者の少ない路線の収支を公表したことを受け、県は昨秋、沿線自治体の首長と路線維持に向けた連絡会議を結成。路線ごとに首長会議も順次立ち上がり、住民のマイレール意識向上や観光利用の検討を進