JR東海の山田佳臣前社長(現、代表取締役会長)が2013年9月にリニア中央新幹線について「絶対にペイしない」と会見の席で述べてから1年が経過する。実に不可思議な事業だが、2014年9月12日になり、超電導リニアの運転に不可欠な液体ヘリウムの資源確保に問題があることが環境省、国交省が同席した会合で明らかになった。 JR東海は2013年8月に始めた環境影響評価法に基づく手続を異例のたった1年という短期間で終了しようとしている。補正した評価書の縦覧期間にありながらも、2014年8月26日には全国新幹線鉄道整備法に基づく工事実施計画を太田昭宏国土交通大臣に提出するという超特急で事業に邁進、認可されれば用地買収が始まるという段階である。 それとは正反対に、研究開発は半世紀に渡るスローモーションぶりを呈し、今になって超電導リニアは資源枯渇という可能性に直面しているのである。 超電導に不可欠の「ヘリウム