タグ

ブックマーク / d.hatena.ne.jp/tatsu2 (9)

  • 「境界の彼方」ストップモーション風アクションと機動力 - subculic

    2013年に放送されたアニメ『境界の彼方』には独創的なアクションがある。 多彩なバトルシーンが特徴の作にあって、異彩を放つストップモーション風の剣捌き。第2話で披露されたこのアクション、タメツメの効いたタイミングが爽快で影付けもスタイリッシュ。スピード感溢れる殺陣に仕上がっている。驚いたことに、原画マンのアドリブだというのだから衝撃的 *1 。コンテでは暗闇の中で閃光が走る一瞬の斬撃を狙った感じだったらしいが、担当したアニメーターの奔放な想像力とそれを形にする手腕によって見事に昇華されている。原画の枠を越え、演出的な回路で描かれた物のようにも思える濃密な仕事だ。 これを受けてだろう、第4話のアクションシーンにも同様の発想でストップモーションが使われていることに注目。 当初、2話と4話の演出を担当した武康弘がこのアクションを気に入り、コンテに描いていたのだろうと思っていた。しかしどうやら

    「境界の彼方」ストップモーション風アクションと機動力 - subculic
    kujoo
    kujoo 2016/01/30
  • 「ガールズ&パンツァー 劇場版」を観て - subculic

    とにかく、テンポがいい。洒落ているとさえ思った。特にトップシーンが秀逸だ。漂ってくるのは紅茶の香り。優雅にティータイムを楽しむ、見慣れた赤い制服。しかしカメラを引くと、砲声鳴り響く戦場のど真ん中という状況。いったい、何が起こっているんだと観客もその中に放り込まれる。説明をしないのがまたいい。描写を重ねるうちに少しずつ全容をみせていき、成る程、これはエキシビジョンマッチで大洗と知波単学園が組んだ混成チーム、相手は聖グロリアーナと――え? なんて風に、状況をひとつ明かしていくと同時にサプライズをひとつ提供し、好奇心をくすぐっていくわけだ。その上、伏線の張り方も気がきいている。たとえば、一時帰省しみほを待っていた普段着のまほ。貴重なオフショットにグッときてしまうが、そんな普段着の姉の姿が実は伏線なのだ。まほの秘めたる想い、姉妹の絆、ドラマの縦糸はそこからするすると伸びていく。そして最終決戦、みほ

    「ガールズ&パンツァー 劇場版」を観て - subculic
  • 興津由佳にみる「SHIROBAKO」のキャラクター描写 - subculic

    万策尽きず、最終話も無事放映された『SHIROBAKO』。めでたしめでたし。そんな最終話で嬉しかったのは「興津さん」と皆から呼ばれている武蔵野アニメーションの総務・興津由佳が大活躍したことだ。彩り豊かな作の女性陣にあって個人的に一番注目していた興津さん。「残業をしない主義」「昔は制作だったらしい」など設定は散りばめられていたが、クリティカルなパーツを見せないキャラクターで、そこに興味の沸く“隙”があった。まず取り上げたいのは、興津さんのデスク周り。クールビューティな外見と事務的ではっきりとした言動は、シンプルで実用性重視の配置を想像させる。しかしよく観察してみると、ファンシーな小物が目を惹くチャーミングなデスク。「意外と可愛い一面を持つ」ことがデスク周りから伺えるのだ。ハート型のマウスパッドや花柄レースのコースターなど、こだわりの感じられる品がずらっと並ぶ。とりわけ目を惹くデスク右上に鎮

    興津由佳にみる「SHIROBAKO」のキャラクター描写 - subculic
    kujoo
    kujoo 2015/03/29
  • 「SHIROBAKO」23話のラストシーンについて - subculic

    新人声優「ずかちゃん」こと坂木しずかにようやくスポットライトが当たった。『SHIROBAKO』第23話「続・ちゃぶだい返し」のラストシーンについて少し、書いておきたい。前回、しずかは自室で一人、テレビに出演しているフレッシュな声優をみながらビールをあおっていた。その様は胸に突き刺さり、痛々しかった。今回、まず憎い演出だなと思ったのは、キャサリンの妹・ルーシー役にしずかが選ばれるんじゃないかと視聴者に期待させている中、アルバイト先の居酒屋で映されるしずかのカットだ。静かに電話と取ったしずかの後ろは前回を引きずるように暗く、目の前は明るい。アフレコ現場にシーンを移す直前のこのカットは妙に引っ掛かった。どうして気になったかというと、23話のポイントは「誰と何を共有しているのか」だと思ったからだ。ラストシーンをみてみよう。宮森あおいは追加シーンのアフレコ現場に姿を現したしずかをみとめ、言葉にならな

    「SHIROBAKO」23話のラストシーンについて - subculic
    kujoo
    kujoo 2015/03/21
  • ロボットアニメの兵器概念〜「コードギアス」 スラッシュハーケン論 - subculic

    2007年の放送からはや数年。派生作品も多く、未だ話題を作り続ける息の長いコンテンツ『コードギアス』、その中に登場する人型ロボット兵器・ナイトメアフレーム(以下KMF)についてのエントリー。実はKMFデザインが発表された当初「あまり格好良くないかも」なんて思っていた。オリジナルアニメなのだし、もっと華のあるデザインを目指してもいいのにな、だとか結構不満を漏らしていた気がする。しかし、動いている姿をみて進化の過程や概念が解ってくると手のひらをくるり。スペックや戦術など、メカニカルな部分への興味が沸いて止まらなくなった。そこで注目したのがKMFに標準装備されている武装・スラッシュハーケン。同じ谷口監督が参加していた『ガサラキ』のアイディアを素材とし発展させた機能だが、ワイヤーアクションと投擲アクションを合わせた特性が魅力的で、時に忍者的なアクションも可能にする多様性、作中“最優”の武装ではない

  • 「秒速5センチメートル」絵コンテ集を読んで - subculic

    アニメーション秒速5センチメートル 絵コンテ集 新海誠出版社/メーカー: ムービック発売日: 2012/12/20メディア: おもちゃ&ホビーこの商品を含むブログを見る一般書店では取扱いしておらず、通販での購入。特別限定生産版DVD-BOX付属の特典ディスクに、音を付けコンテ編集した「動画コンテ」が収録されており、コンテ段階の画は見慣れたものだったはず、けれど。コンテ集が読み物として面白いのは、演出意図をより明確に捉えた先に新たな解釈を発見できるからなのだろうと思う。「桜花抄」は尺指定なしでコンテを描き、音のトラックに合わせて気持ちよさを追求し、最後のカットの尺を出していったのだという。モノローグ主体の物語であるから可能な手法とはいえ、映像作品の三要素「映像」「音」「時間」のバランスからいって異質。詩的でナイーブな貴樹をより際立たせていくかのような設計図の作成法だが、いついかなるときでも「

    kujoo
    kujoo 2013/01/12
  • 「中二病でも恋がしたい!」への期待 - subculic

    アニメーション『氷菓』は青春の影に焦点をあて探偵役の全能感と合わせ、ほろ苦さを描いた作品だったが、京都アニメーションが次に放つはこれも青春の影、いや暗黒。『中二病でも恋がしたい!』は黒歴史全開のアニメ。まさかこのような連携になっていようとは、一杯わされた気分。思わず膝を叩きたくなる影のコンビネーションだ。まったく何も調べず視聴したところ、ポップテイストで楽しい中二病講座なアニメだなと思う。『涼宮ハルヒの憂』や『けいおん!』を明らかに意識して、アニメ版の監督である石原さんや山田さんがOP/EDを手掛けていたり、自社のKAエスマ文庫レーベルからのアニメ化、「京ア二的」なメソッドの確立を目指しているのやも、と考えてしまったりもする。過去の元請作品を匂わせるパーツを組み込み、作中で扱う「黒歴史」へのアプローチにしているなら面白い試みかもしれない。主人公である富樫勇太が封印したがっている中二病の

    kujoo
    kujoo 2012/10/23
    戦闘シーンは冗長だなと思った。ノリツッコミが長すぎてボケが薄れてしまうよう。もっと象徴的・様式美的でいい
  • とある科学の超電磁砲のアニメ的工夫 - subculic

    アニメーション注目作として個人的にも楽しみだった『とある科学の超電磁砲』。より盛り上がるよう、原作のエピソードを再構成しているのは周知の通りですが、工夫の凝らし方が憎い。第1話から佐天涙子&初春飾利コンビが御坂美琴と出会い、第2話で2人を寮に招くなど、主に佐天涙子の役割を広くしているのは明らか。原作は美琴と黒子の2人が話を動かし、ジャッジメントという要素の補強に初春がちょくちょく加わるものの、基的には美琴と黒子の物語であるのに対し、アニメ版は佐天涙子&初春飾利をピックアップして、女子校生4人の話にしようとしているんですよね。第2話で披露されたEDは顕著な例。『とらドラ!』を彷彿とさせる色彩を上手く使う長井監督らしいEDも、女性4人となると男っ気は完全に無くなり、華やかさが一層増した。原作は上条さんが活躍している間、美琴は何をやっていたのか?という趣旨の美琴スピンオフに、黒子というアクの強

  • 涼宮ハルヒの憂鬱 見えてきたエンドレスエイトの同期演出 - subculic

    アニメーション『涼宮ハルヒの憂』 エンドレスエイト4話目。またもやカウンターを喰らってしまったのだけど、少しばかり数字の考察という名の妄想を。まず、ループを見せられた2話目が15498回目に該当、3話が15499、4話の今回が15513回目だ。2話→3話の間は繋がりがあるが、4話にはなく14回飛んでいる。劇中の期間が2週間、14日。視聴者が7日過ごした間に、196日経過している計算。196日ということは28週、自分達と比較して、全て記憶している長門有希は28倍の時間を体験したはず。そして「エンドレスエイト」の4話目だから、「孤島症候群・後編」から数えて4週、28日間「エンドレスエイト」している。さらに196日という時間、たとえば2009年の196日目は一体いつなのかというと…7月15日。翌日、7月16日深夜はハルヒの放送日だ(厳密には17日になりますが)。次回がエンドレスエイトの5話目だ

    kujoo
    kujoo 2009/07/11
    うへー。"メタ構造として注目すべき活動がありました。そう、映画観賞" のくだりがよく分かんなかった。 "ループ構造に伏線を入れるならループの中に、活動内容の意図を隠すなら羅列の中に" だから。ってこと?
  • 1