そして、このような「他者恐怖」に基づくナショナリズムは、ナショナリズムとしても質的劣化を起こしている。 それは、いくつかのブログで見られる「国立戦没者追悼施設」に対する(過度に)否定的なスタンスであり、その主張が「中韓に屈する形で計画されている」ことを主な根拠としていることに端的に現れていると思う。 このような(「国立戦没者追悼施設」に対する)スタンスはナショナリズムとしては「倒錯」だろう。戦争で死んだ「同胞」(民間人、兵士を問わず)の死を追悼するということ、そのために国立の恒久的追悼施設を建設することは、本来ナショナリズムが自らの課題にすべき事柄であるはずだ(だから、「自称女ロケンローラー」氏のブログで「久々に熱く語る。国立追悼施設って・・・何?」において、同施設に対し「作ってから分かるだろう、その意味のなさに」と評したくだりを読んだときは目が点になった) ましてや、「あの時代は帝国主義
私はこう述べた。 しかし、ナショナリズムが韓中や嫌韓感情、他者恐怖に依存することによって、内部の対立や敵対、緊張関係について鈍感になっていく傾向も既に現れているように思う。そういう現象をとりあえず〈「ベッタリ」ナショナリズム〉と呼ぼうと思う。 deadletterさんはいう。 「内部の緊張関係」なんてことにまで気を回していたら、「他者に付け込まれない事」の達成が危ぶまれる。だからこそ内部の問題についてはむしろ「鈍感」たらざるを得ない。「鈍感」であることは必然だ、ということも言えるような気がします 具体的に何が鈍っていくのか。 私が最も注目しているのは、「動員」に対する批判力視点の低下である。 「動員」については、当ブログでも幾度か議論の俎上に上っている。 10月30日コメント欄で hokusyuさんはこう問題提起した。 戦争が投機的であることと、人命を投機的な目的で消費することの是非は確か
ここ数日、2つの仮説を同時に議論しているので、いったん整理を行いたいと思う。 2つの仮説というのは 「ナルシシズム」→靖国や歴史修正主義に傾倒 他者恐怖→「ベッタリ」ナショナリズムに傾倒 だが、この2つの流れは相反するものではなくて、大枠で他者恐怖→「ベッタリ」ナショナリズムに傾倒する人達の集団がいる。その中に「ナルシシズム」→靖国や歴史修正主義に傾倒」に傾倒する人達の小集団も含まれる、という構図を私は描いている。 そうそう、ここで補足。歴史修正主義については、「opeblo」のopemuさんが「歴史修正主義」的なものの盛り上がりの背景にも「自尊心が満たされる」「知的優越」といった要素があるのでは、という指摘に影響されたものである。(http://d.hatena.ne.jp/opemu/20051117コメント欄参照)。 http://d.hatena.ne.jp/bluefox014/
靖国にお礼に行く 今の平和は靖国に祀られている死者のおかげだ この手の言説の因果律の奇妙さについては既にdeadletterさんのブログで 「今の平和は靖国に祀られている死者のおかげだ」という論理は、社会科学的な因果律としてナンセンスであり、単なる信仰告白以上のものではないはずなのだけれども、 と指摘されているので、少し別の面からこのような言説を考えてみる。 死んだ人はこの世にいないし、仮に霊として存在しているにしても、「靖国」という特定の場所にいる、という確証はまったくない。したがって「お礼にいく」という行為は、かなりバーチャルな行為である。 ここで留意したいのは、お礼や感謝の対象が死者である、そして死者(あるいは霊)は言葉を発することがない、したがって死者や霊は生者に決して問い返さないということだ。 言い方を変えれば、生者がどんなに的外れな「お礼」や「謝意」を捧げても、「ハァ? それ、
伝統に科学の衣を無理矢理着せようとしてトンデモになってしまった例かな。だいたい「神武天皇のY染色体」って(以下略 確かに現天皇を遡っていくと神武天皇、とは言わないまでもまあ6-7世紀あたりの天皇あたりまではたどりつくのだろうけれど、ではそこから下に広がっている家系はどうなるんだろう。…て書きかけたが、Y染色体ぐぐってみたら既にこれは「有識者会議」のヒアリングでも話題になっていたようだ。話を持ち出したのはほかならぬ八木氏。 2005/5/31 第6回 �cŽº“T”Í‚ÉŠÖ‚·‚é—LŽ¯ŽÒ‰ï‹c(‘æ6‰ñ)‹cŽ–ŽŸ‘æ 2番目といたしまして、これも理由として果たして適切なものかどうかは、私はいささか自信がございませんが、遺伝学の見地からも説明が可能だということが指摘されております。私は素人ながらこのようなことを以前から申してまいりましたが、最近になりまして、生物学者の中から、あ
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