新型コロナ禍初期に、未承認の薬でありながら、「観察研究」の名目でコロナ患者への投与が続けられた「アビガン」。厚生労働省は、その使用実態に関する調査結果を2月中旬、しれっと発表した。本紙「こちら特報部」の情報公開請求には「不当に国民の間に混乱を生じさせる」として、全て黒塗りで伏せてきた、にもかかわらずだ。発表はA4の紙1枚。結局、アビガン観察研究とは何だったのか。そんな簡単な報告で終わっていいのか。(木原育子)
新型コロナ禍初期に、未承認の薬でありながら、「観察研究」の名目でコロナ患者への投与が続けられた「アビガン」。厚生労働省は、その使用実態に関する調査結果を2月中旬、しれっと発表した。本紙「こちら特報部」の情報公開請求には「不当に国民の間に混乱を生じさせる」として、全て黒塗りで伏せてきた、にもかかわらずだ。発表はA4の紙1枚。結局、アビガン観察研究とは何だったのか。そんな簡単な報告で終わっていいのか。(木原育子)
国を思う心、日本の伝統文化、郷土の良さなどを取り上げた小学校道徳の教科書=東京都千代田区の文部科学省で 文部科学省が28日公表した、2024年度から小学校で使用される教科書の検定結果では、小学校道徳で学習指導要領の「伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する態度」についての検定意見が13件あり、過去2回の検定と比べ大幅に増えた。このうち7件は、指摘された出版社が「国」「日本」という言葉を追加するなどして修正した。 学習指導要領では、小学高学年の道徳で指導すべき22の内容項目(教えるべき価値)を示しており、「伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する態度」はその1つ。改正教育基本法に盛り込まれた、愛国心に関する条文に沿っている。
【ワシントン=吉田通夫】米国務省は20日、世界各国の人権侵害についてまとめた2022年版の年次報告書を発表した。ウクライナへの侵攻を続けるロシアについて「多数の戦争犯罪や残虐行為、虐待をした」と明記し、中国の少数民族政策なども批判した。 報告書では、ロシア軍がウクライナで処刑・拷問、女性への暴力、民間人やインフラを狙った意図的な攻撃など「戦争犯罪を構成する信頼できる報告があった」と説明。ウクライナの民間人をロシアに強制移住させ、子どもをロシア人と強制的に養子縁組させていることに「多くの報告があった」とも記した。 中国については、新疆ウイグル自治区のウイグル族ら100万人以上を強制収容するなどの「ジェノサイド(民族大量虐殺)」と「人道に対する罪」が継続していると説明。イランやミャンマーなどでの市民弾圧も問題視した。 一方、日本に関しては、外国人を収容する入管施設での死亡事例に言及し、長期収容
大規模な金融緩和を中心とした安倍晋三元首相の経済政策「アベノミクス」の指南役として、当時内閣官房参与を務めた浜田宏一米エール大学名誉教授(87)は本紙のインタビューで、10年に及ぶ政策の効果について「賃金が上がらなかったのは予想外。私は上がると漠然と思っていたし、安倍首相(当時)も同じだと思う」と証言した。大企業の収益改善を賃上げへとつなげる「トリクルダウン」を起こせなかったことを認めた。 (渥美龍太、原田晋也、畑間香織)
高市早苗経済安全保障担当相は7日の記者会見で、総務省の行政文書と確認された放送法解釈を巡る資料について、自身にかかわる記述の内容が不正確で捏造(ねつぞう)と繰り返し、辞任を否定した。「捏造文書」との主張が誤りだった場合に辞職するかに関しては「閣僚や議員の辞職を迫るのなら、文書が完全に正確だと相手も立証しなければならない」と強調。政治家としての説明責任を疑惑を追及する側に転嫁するような発言で、有識者は「ナンセンスで筋違いだ」と批判した。 放送法解釈を巡る行政文書は約80ページあり、安倍政権下の2014〜15年にかけて、当時の礒崎陽輔首相補佐官が総務省に放送法4条の「政治的公平」の新たな解釈を示すよう働きかけた経緯が時系列に示されている。そのうち4ページには、総務相だった高市氏の発言や、安倍晋三首相との電話会談の内容とされるやりとりが記されている。 立憲民主党の小西洋之参院議員が総務省職員から
太平洋戦争中の空襲被害者らでつくる全国空襲被害者連絡協議会(全国空襲連)は3日、東京・衆院議員会館で、空襲などによる民間戦災被災者の救済法案の早期成立を訴える集会を開いた。救済が進まないことに、参加した自民党国会議員らから「自民党に責任がある」と発言があった。 救済法案を巡っては、超党派の国会議員連盟が2020年、身体障害や精神疾患などを負った民間の生存者に1人50万円を給付することや、国の実態調査などを盛り込んだ法案要綱をまとめた。しかし、与党内の調整が進まず、法案提出に至っていない。 一昨年に政界引退した議連前会長の河村建夫元官房長官は「海外の取り組みをみても、日本(政府)が何もしなくていいというわけにはいかない。野党はほぼ賛成で問題は自民党にある」と指摘した。議連会長代行の平沢勝栄衆院議員も「自民党の責任も極めて大きい」と強調した。 空襲連の黒岩哲彦弁護士は、2日の国会答弁で岸田文雄
新型コロナウイルス対策として政府が全国に配った「アベノマスク」の行政文書で単価や枚数を黒塗りにした部分の開示を、大阪地裁が命じた。原告が請求した45件全ての文書の公開を認めており、ほぼ完勝といえる判決だ。そもそも審理中から、国の主張にはおかしな点があったという。巨費を投じた政策に世論が沸騰して3年。判決文から見えてくるものとは。(岸本拓也、中山岳) <アベノマスク> 安倍元首相が2020年4月に全戸配布を表明した布マスク。一部に汚れや虫の混入が発覚し、予定の約1カ月遅れの同6月に配り終えた。配布時には既に市場に不織布マスクの供給が戻り始めており、効果が疑問視されている。介護施設や妊婦向けを含め計約2億9000万枚を調達し、21年度末までに少なくとも約502億円を投じた。厚労省の調査では、検品対象の15%に当たる約1100万枚が不良品。国は22年、余った約7100万枚を希望者に配って在庫を処
クーデターを主導したミャンマー国軍のミンアウンフライン総司令官から、麻生太郎元首相と日本ミャンマー協会長の渡辺秀央元郵政相が名誉称号と勲章を贈られた。有権者に選ばれた政権を武力で転覆させ、抗議する市民を多数殺害している人物からの表彰を受け入れるとは、常識的感覚からして信じ難い。苦境にあるミャンマー市民に理解される振る舞いだろうか。(北川成史、大杉はるか) ミャンマーの国営紙によると、ミンアウンフライン氏は20日、麻生氏と渡辺氏に名誉称号と勲章を贈った。首都ネピドーでの授与式に出席した渡辺氏に「両国と両国民、両国の軍隊が友好関係と協力を強化することができた」と謝意を表明。渡辺氏は「生涯、ミャンマーの発展と国軍の地位のために努力する」と約束した。麻生氏は欠席したが、渡辺氏を通して謝意を伝えたという。
報告書名は「新時代の日本的経営」。経営で三つの雇用の形を組み合わせることを提言した。このうち契約社員や派遣ら非正規を「雇用柔軟型」と名付け、企業が人件費を抑えるために活用する方向性を示した。 新時代の日本的経営 終身雇用や年功賃金を中心とする日本的雇用の見直しを求める提言。急激な円高や不況を受け、人件費を抑えるのを目的に3種類の雇用を組み合わせる「雇用ポートフォリオ」の導入を企業に促した。正社員に当たる「長期蓄積能力活用型」、専門能力を生かす「高度専門能力活用型」に加え、現在の非正規労働者に当たる「雇用柔軟型」を設定。企業が非正規を増やす方向性を示したとされる。 当時、日本は先進国が協調してドル高を是正する「プラザ合意」(85年)を機に円高が急伸、その後のバブル崩壊で不況に陥った。成瀬さんは報告書の作成について「円高で賃金が上がり過ぎたから下げるしかなかった。このままでは企業がつぶれるとい
大手電力各社が、送配電子会社を通じて、ライバルである新電力の顧客情報を盗み見していた問題に揺れている。かつての地域独占体制から競争を促す自由化へと電力制度改革が進められたが、鍵は送配電部門の中立性・公平性にある。その根幹を揺るがす事態だ。全面自由化から4月で7年。大手電力は依然として8割のシェアを握り、競争は道半ばにある。公正な競争環境を整えるため、規制の強化や、大手電力の傘下にある送配電部門の独立性をさらに高めるよう求める声も強まっている。(岸本拓也)
原子力規制委員会事務局の原子力規制庁は3日、原発の運転期間見直しを巡って、規制庁と、経済産業省資源エネルギー庁の職員が非公開で情報交換していた問題を受け、検討過程の資料を公開した。エネ庁が規制庁に提供した資料は一切公開せず、規制庁内部の検討資料も3枚だけで大半が「黒塗り」とされた。情報公開に後ろ向きな姿勢が際立ち、原発を推進するエネ庁側の見解が、規制制度の検討に影響を及ぼしたのかどうかは明確にならなかった。 公開したのは、「原則40年、最長60年」と規定された運転期間の見直しに向けた規制庁内部での検討状況。規制庁はエネ庁から法改正のイメージ図などを受け取ったが、「開示の可否は作成者のエネ庁が判断するべきだ」として、エネ庁が作成した資料は一切公開しなかった。
「2年前に廃案になったものが、なぜ、再びだされるのか」と疑問を投げかける、国際基督教大2年の宮島ヨハナさん(㊥)ら=25日、東京都千代田区で 開会中の通常国会に政府が提出する方針の入管難民法改正案について、外国人を支援するグループ「BOND(バンド)」などが25日、東京都内で記者会見し、改正案の廃案や仮放免者への在留資格付与などを求める全国一斉アクションを展開すると発表した。
本紙が情報公開請求した防衛省の「防衛力強化加速会議」の資料はほとんどが黒塗りで、政府が昨年末の安全保障関連3文書改定により保有を決めた敵基地攻撃能力(反撃能力)の検討過程は不透明なままだ。岸田文雄首相は戦後の安保政策を大転換した「決断」を強調するが、保有の必要性や運用の具体像など、多くの疑問が残っている。首相は23日の施政方針演説で「国会の場で正々堂々議論する」と述べており、国民の疑問に正面から答える説明が求められる。 (川田篤志) 歴代政権が保有してこなかった敵基地攻撃能力を必要とする理由について、国家安全保障戦略では、中国や北朝鮮が開発を進める極超音速ミサイルなどは、現在の日本の迎撃能力では対応が困難だと説明。敵基地攻撃能力を持つことで、日本への攻撃を思いとどまらせることにつながると主張する。
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く