【⑨飲食店の繁栄】 宋代(960-1279)になると、湯餅という言葉が使用されなくなり、麵条を使用した料理が、餅のカテゴリーから独立します。そして糸鶏麵(しけいめん)、三鮮麵(さんせんめん)、炒鱔麵(しょうぜんめん)のように、麵条を使用した料理は、具材や料理法をあらわす名称のあとに麵という文字をつけて表現されるようになります。そして宋代以後は、麵条を使用した料理名は、○○麵と表記されるのが標準となります。また「餅」という言葉は、現在の焼餅、月餅などのように扁円形をしたコムギ粉食品で、火であぶったり、焼いたり、また蒸して調理したものを指すようになります。 宋代は、汴京(べんけい)に都があった北宋(960-1127)と、北宋が金に敗れて南方に移動し、元に併合されるまので南宋(1127-1279)との、2つの時代に分かれます。北宋が敗れ、南宋に逃れた孟元老(もうげんろう)は、かつての首都の繁栄ぶ