多様な文化を知ることが、「寛容」につながる ――前回は、唐鳳さんが考えるデジタル教育の本懐についてお聞きしました。ここからは唐鳳さんの個人的なことについてお聞きします。唐鳳さんは幼い時から読書家だったと聞きました。座右の書、影響を受けた本というのはありますか。 唐鳳:最も影響を受けた本があるにはあるのですが、とても推奨しにくいですね。合計16万項目ある『再編国語辞典』なんですよ。辞典の良いところは、自分が直接的な体験をしていなくても語意を理解できるという点です。 以前、私は仲間と一緒に『萌典』(https://www.moedict.tw/)という辞典を作りました。これは台湾の文部科学省に当たる教育部が、日本語の「萌え」と「萌える」(芽生える)という意味を兼ねて作ったものです。ここでは、紙の辞書のように時間をかけて調べるのではなく、さまざまな機能を設計し、提供することで中国語(華語)や台湾
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