直島を訪れたのは今からかれこれ13年前の2007年夏のこと。産まれた子どもが「しまじろう」と共に成長し中学校へ入学するほどの長い期間、直島とはご無沙汰をしていることになります。 年齢を重ねると物忘れがひどくなり、画家や作品の名前から、いつどこへ行きどんなものを見聞きしたかも、霧がかかった曖昧模糊としたものとなってしまうものです。 ところが、はるか昔の直島の旅でありながら、今でも直島での体験が鮮明な印象として心に残っており、そしてこの後も決して忘れることがないと断言すらできてしまうのは何故なのでしょう。 それは直島が「物語を紡ぐ島」だからに他なりません。 (写真:田中まこと) かれこれ30年以上、数多くの美術作品を観ています。はじめは画集で目にした作品を実際に目の前にするだけで感動していたものが、次第にその絵に付与された「意味」をさぐり、書籍を読み、セミナーに参加するなどし「価値」を見い出す
![寄稿「消費されない島」中村剛士 | ブログ | ベネッセアートサイト直島](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/7acaa648a22fe6e6b1dc0ed5114bc3aa05af63e6/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fbenesse-artsite.jp%2Fstory%2Fassets_c%2F2020%2F12%2Fblog20201201_01-thumb-840x560-3930.jpg)