『ファイト・クラブ』における「語り手」は語り手の位置を剥奪され、セバスチャンという名が与えられている。彼は外見の上でも冴えなく、エドワード・ノートンには程遠い。セバスチャンとマーラ・シンガーは結婚し、ジュニアという息子もいる。夫婦間はどうやら上手くいっておらず、マーラはまたサポート・グループ(若年性老成症)に詐病のうえ通っている。ジュニアはすでに、爆薬調合の才能を示している。 キャメロン・スチュアートのパンクな絵の効果もあり、『ファイト・クラブ2』は内容ビジュアル共におそろしく暴力的だ。全体のトーンを把握してもらうためにも、以下の公式トレーラーをぜひ見て欲しい。 「#TylerDurdenLives(#タイラーダーデンは生きている)」という文句、脳内でのペンギン、極めつけは、映画版のエンディング「Where is My Mind?」を歌ったピクシーズの代表曲「Monkey Gone to
![第47回 タイラー・ダーデンふたたび、みたび──『ファイト・クラブ2』そして『ファイト・クラブ3』(青木耕平)|書肆侃侃房 web侃づめ|note](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/de5ccd41a74fe5a45c742fd86d86ebb0027d6637/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fassets.st-note.com%2Fproduction%2Fuploads%2Fimages%2F19608795%2Frectangle_large_type_2_8de33507fc0d52ca317e23b0af56e847.jpeg%3Ffit%3Dbounds%26quality%3D60%26width%3D1280)