<1面からつづく> ◇原子力に期待「間違ってはならない賭け」 ◇岩本・前双葉町長、社会党県議から転身 住民のために反対し、住民のために共存した ◇避難生活で衰弱、死去 7月15日午前5時。岩本忠夫・前福島県双葉町長は福島市の病院で、付き添っていた長男の双葉町議、久人さん(54)に見守られ、静かに息を引き取った。82歳。原発事故の避難生活で急速に衰え、入院後の40日間は会話もできなかった。 「本当は何か言いたかったんじゃないかな。話してほしかった」と久人さんは言う。 岩本氏は85年12月に町長に初当選し、05年まで5期20年務めた。町内には東京電力福島第1原発5、6号機があるが、財政難を背景に7、8号機の増設を求める原発推進派の筆頭格だった。 一方、町長になる前は社会党(当時)県議や「双葉地方原発反対同盟」委員長として、反原発の先頭に立った。県議時代の74年、電源3法の国会審議に参考人招致さ