日銀の金融緩和策について、物価や景気への影響は皆無か、あっても限られるとの見方が国内では根強い。しかし現実には、為替相場など金融市場を通じた影響は無視できない。本気で景気回復とデフレからの脱却を望むのであれば、その力を使わない手はないだろう。 金融政策とは国家の通貨発行権を中央銀行が独占的に行使することで果たす様々な役割や機能の総称だと、筆者は認識している。中央銀行が一般的に「物価の安定」に加え、「金融システムの安定」にも責任を負わされているのは、そのどちらもが主に通貨の需給を調整することで対処が可能だからである。