首都直下地震の被害想定の見直しを進める中央防災会議の専門委員を務める河田恵昭(よしあき)・関西大教授が、マグニチュード(M)7・3の首都直下地震による経済被害が300兆円に達するとの試算をまとめた。従来の国想定の約3倍で、国の一般会計の3年分を超える。東京都内で20日にあった21世紀文明シンポジウム「減災〜あすへの備え」(ひょうご震災記念21世紀研究機構、朝日新聞社主催)で明らかにした。 東日本大震災の経済被害の約18倍に相当し、南海トラフ巨大地震で国が想定した220兆円も上回った。試算は年内にも発表される国の新想定に影響を与える可能性がある。 同機構副理事長でもある河田氏が対象にしたのは、30年以内の発生確率が70%とされるM7級の地震のうち、被害が最大になると見込まれる「東京湾北部地震」。最大震度は7で、死者数は約4万8千人に上った。中央防災会議が2004年度に公表した現在の国想定