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ブックマーク / call-of-history.com (79)

  • 『ダンピアのおいしい冒険 1巻』(トマトスープ 作)感想 | Call of History ー歴史の呼び声ー

    17世紀イギリス政府はスペインとの対抗上、民間船に海賊行為を許可。 その乗組員ダンピアは博識かつ好奇心旺盛!航海で出会う未知の文化、 未知の動植物、そして未知のを好んだという。この人物は実在した… ウィリアム・ダンピアは若いころから船員としての経験を積み、1679年、ジャマイカ植民地へ渡って私掠船の船員となり、1715年に亡くなるまで生涯三度の世界周航を達成した人物です。1697年に、1679年から91年まで12年の航海記録「最新世界周航記」を出版してベストセラーになり、同書で描かれた各地の動植物や現地民の風俗と様々な発見は後世の博物学・自然科学の発展に少なからぬ影響を与えました。 ダンピアの著書「最新世界周航記」は岩波文庫から上下巻で日語訳が出版されていて、生の体験が鮮やかに描かれているので一緒に読むとより楽しめると思います。同書の翻訳を行った平野敬一氏はダンピアの姿勢について『右す

    『ダンピアのおいしい冒険 1巻』(トマトスープ 作)感想 | Call of History ー歴史の呼び声ー
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    langu 2020/10/21
  • イラク北部でダムの水が引き約3400年前のミタンニ帝国の宮殿遺跡が発見

    2019年6月27日発表のテュービンゲン大学プレスリリースによると、2018年秋、イラク北東部クルディスタン地域にある、ティグリス川東岸のモスル・ダム(1980年建設)の貯水池の水が引いたところ、青銅器時代の宮殿が発見された。考古学的に非常に重要な発見として海外でもCNN、BBC他各ニュースで報じられている。 動画:テュービンゲン大学/ Eサイエンスセンター制作 クルド人実業家の資金援助を受けてドイツ・テュービンゲン大学とクルディスタン考古学機構(Kurdistan Archaeology Organization (KAO))の合同チームが調査を行い、同宮殿(ケムネ宮殿”Kemune Palace”)が紀元前15世紀から14世紀にかけてメソポタミア北部とシリアの大部分を支配していたミタンニ(ミッタニ)帝国の時代にさかのぼることができることが判明した。 クルド人考古学者ハサン・アフメド・カ

    イラク北部でダムの水が引き約3400年前のミタンニ帝国の宮殿遺跡が発見
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    langu 2019/07/01
  • 串刺公ヴラド3世の生涯を描く『ヴラド・ドラクラ(1、2巻)』感想 | Call of History ー歴史の呼び声ー

    『ヴラド・ドラクラ』(大窪晶与作、ハルタ連載)は吸血鬼・ドラキュラ伯爵のモデルの一人にして「串刺し公」の異名で知られる、最近ではFateシリーズでもお馴染みのワラキア公ヴラド3世(1431~1476年、在位1448,1456~62,1476~77)を主人公にした大河歴史漫画です。2019年2月15日に最新第二巻が発売されました。 残虐の暴君か、国を護りし英雄か――。 15世紀中期。南にヨーロッパを席巻するオスマン帝国、西に大国ハンガリー。 ふたつの強国に挟まれた小国・ワラキア(現・南ルーマニア)にひとりの若き公が戴冠する。 その名は、ヴラド三世。 国内政治は貴族に支配され、外交は大国の情勢に左右される中、 ヴラドは故国・ワラキアを護るため、そ... ヴラド・ドラクラのあらすじと魅力物語の始まりは1456年9月。1453年にコンスタンティノープルを陥落させて勢力を拡大するオスマン帝国と、神聖

    串刺公ヴラド3世の生涯を描く『ヴラド・ドラクラ(1、2巻)』感想 | Call of History ー歴史の呼び声ー
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    langu 2019/02/20
  • 江戸時代の公害、環境破壊と人口停滞 | Call of History ー歴史の呼び声ー

    江戸時代はよく、エコでサスティナブルな社会システムが整備されていたという例として語られるが、一方で急激な経済発展の代償として環境破壊と公害が顕在化しはじめた時代でもあった。 1)江戸時代の環境破壊安土桃山時代から江戸時代前期にかけては全国で都市、街道や橋、用水などの建設ラッシュによって木材需要が高まり一七世紀から一八世紀初頭にかけて日列島全体で森林伐採が行われた。 正保二年(一六四五)、幕府は諸国に対して山林の濫伐を禁じ、伐採の禁止地区の指定や利用制限などを取り決め、寛文六年(一六六六)、貞享元年(一六八四)の二度に渡って森林の乱開発が災害の要因になっているとして特に水害が頻発していた畿内を中心に濫伐の禁止や苗木の植え立てを命じる法令を出している。 このような森林資源の枯渇は江戸時代後半になると徐々に回復していったが、その要因として鬼頭宏「文明としての江戸システム」ではコンラッド・タット

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    langu 2016/02/08
  • 「キリシタン大名 (読みなおす日本史)」岡田 章雄 著

    講談社学術文庫やちくま学芸文庫などを始めとして学術書の再刊レーベルは多い。吉川弘文館の「読みなおす日史」シリーズも評価が定まっていながら入手が困難になった歴史書の名著の再刊を行っている。書は1977年に刊行された、当時としては新しい翻訳史料にもとづいて「キリシタン大名」の全体像を描いた名著で、2015年に「読みなおす日史」シリーズの一冊として再刊された。 著者の岡田章雄(1908~82)氏は戦後の中近世日欧交渉史、キリスト教宣教史研究をリードした研究者で、以前紹介したルイス・フロイス著「ヨーロッパ文化と日文化 (岩波文庫)」の翻訳者でもある。同書は丁寧な翻訳と詳細な注釈が実に素晴らしい仕事だった。 キリスト教の平等と戦国大名の統治さて、書は著者の元に送られた中学二年生の女の子からの手紙への回答から始まる。 「私は『キリシタン大名の領地内のキリスト教信者(農民)の統制はどのように行

    「キリシタン大名 (読みなおす日本史)」岡田 章雄 著
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    langu 2016/01/29
  • 「ブータン――「幸福な国」の不都合な真実」根本 かおる 著

    「国民総幸福量(Gross National Happiness, GNH)」の最大化を国是として、伝統文化を維持しつつ国王のトップダウンによる急速な民主化を推し進め、「幸福の国」として世界から認識される小国「ブータン」だが、実は国内の政治的・市民的自由度は世界的に見ても非常に低く、また最大十一万人にも及ぶ難民を生んでいる人権問題を抱える負の面も持つ国家でもある。 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)職員でブータンからのネパール難民支援の現地事務所の所長として十年以上支援活動に携わった著者がブータンと難民の問題を取り巻く歴史的背景や政治状況、難民の現況冷静かつ包括的に解説したのがこのだ。幸福な国ブータンという幻想と欺瞞を鋭く抉った快著であると思う。 ブータン王国の歴史は実は新しい。王制の成立は一九〇七年である。 一七世紀初頭、群雄割拠のチベットがダライ・ラマ5世率いるチベット仏教ゲルク

    「ブータン――「幸福な国」の不都合な真実」根本 かおる 著
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    langu 2016/01/13
  • 「食糧の帝国――食物が決定づけた文明の勃興と崩壊」

    人類史における都市の繁栄を生み出したもの、それは糧の余剰と交易であった。余剰糧が富を生み、富が都市と社会、そしてそこで暮らす人びとの生活を繁栄させる。書は、その歴史上様々なかたちで現れてきた「糧を礎とした社会」、すなわち「糧帝国」の盛衰を通して、現代もまたその歴史上の「糧帝国」と共通する特徴を備え、それゆえに巨大なリスクを抱えていることを浮き彫りにする一冊である。 「糧帝国」成立の3つの条件1) 農民が自分たちでべる以上の糧を生産できること 2) 買い手に売るための取引手段が存在すること 3) 経済的利益をもたらすまで糧を保存できる手段があること 書によれば、古代メソポタミア、エジプト、ギリシア、ローマ、中国から大英帝国まで「糧帝国」は上記の3つの条件が成立することによって誕生してきた。すなわち、余剰糧の生産、取引の仕組み、保存と輸送である。歴史上、この料の生産

    「食糧の帝国――食物が決定づけた文明の勃興と崩壊」
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    langu 2015/12/14
  • 「春画の色恋 江戸のむつごと『四十八手』の世界」白倉敬彦 著

    九月から東京都文京区の永青文庫で開催されている春画展(2015年9月23日~12月23日)が大盛況なのだという。猥褻か芸術かという議論を巻き起こしつつ春画の再評価が進んできて、江戸時代の性文化の多様性を示すものとして一定の地位を確立してきたのだろう、僕も江戸時代の文化を調べる上で非常に興味をもっていた。 書は、2014年に亡くなられた、春画の再評価を牽引した春画研究の第一人者である白倉敬彦氏による、春画の二大先駆者菱川師宣と西川祐信の作品から見る春画の変遷と特徴を通して江戸の性愛ならぬ「色恋」の姿を浮き彫りにした春画入門書である。 書の第一部では浮世絵の始祖にして春画の父である菱川師宣(?~1694)の代表作の集大成「恋のむつごと四十八手」を一枚一枚丁寧に解説しつつ、春画草創期の特徴を、第二部では菱川師宣に続いて春画中期の隆盛を牽引した西川祐信(1671~1750)の作品から第一部を補

    「春画の色恋 江戸のむつごと『四十八手』の世界」白倉敬彦 著
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    langu 2015/12/11
  • 「戦争と読書 水木しげる出征前手記」水木しげる/荒俣宏 著

    後の漫画家水木しげるがまだ二〇歳の画家志望の青年武良茂だったころ、徴兵検査を受けた直後の、戦争への召集が現実的な避けようのない課題として突如立ちはだかってきた、昭和十七年十月~十一月にかけて記した手記集である。書は三章構成で、第一章でその水木しげるの手記が、第二章で荒俣宏による彼の手記と水木の手記の内容と通底する当時の戦争読書の関係についての歴史的社会的背景に関する論考が、第三章では戦後すぐ復員後に家族へ宛てた水木の手紙が、収められている。 水木しげる出征前手記(昭和十七年十月~十一月七日)二〇歳の青年武良茂は否応なしに直面せざるを得ない戦争という不条理、死の恐怖、そして求められる死の覚悟と、どのように向かい合ったか?手記から明らかになるのはその葛藤と克服を読書に求めたということだ。読書を通しての思索と知的格闘の中に自身の生と死、そして人生の目的とを浮き彫りにしようとした。手記の一言一

    「戦争と読書 水木しげる出征前手記」水木しげる/荒俣宏 著
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    langu 2015/12/02
  • 「総員玉砕せよ!」水木しげる著

    漫画家水木しげる自身の戦争体験を元にしたニューブリテン島ズンゲンでの日軍玉砕を描いた作品。 1942年、日軍はニューブリテン島を占領すると周辺地域等含め約10万の兵力が投入され軍事拠点が築かれた。ラバウル航空隊と呼ばれる航空部隊の部等が置かれ難攻不落のラバウル要塞として連合軍に警戒されたが、米陸軍司令官マッカーサーは正面からの攻撃は困難と見ると、包囲と爆撃にとどめてラバウル要塞攻撃を回避、日軍が手薄なサイパン島等土攻略に重要な拠点に戦力を集中することでラバウル要塞を孤立させ無力化していった。 水木しげる(武良茂)は昭和十八年十月、成瀬懿民少佐率いる臨時歩兵第二二九連隊支隊麾下の第二中隊(児玉清三中尉)に配属され、そして昭和二十年、成瀬少佐は連合軍の攻撃を受け玉砕命令を下すが、児玉中隊長は玉砕命令を拒否してゲリラ戦に転じ、そのおかげで水木しげるは激戦の中で左腕を失いつつも九死に一生

    「総員玉砕せよ!」水木しげる著
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    langu 2015/11/30
  • 「姑娘」水木しげる著

    水木しげるが後年、中国出兵していた人物から聞いた体験談を元に描いた短編作品。姑娘(クーニャン)とは、中国語で若い未婚女性、お嬢さんといった意味である。 第二次世界大戦中、中国侵略を進めていた日軍のある分隊は、小さな村へと侵攻、ある家に女性物の下着が干されているのを発見したことから、狂気にかられ始めていく・・・ 「姑娘を捕虜として部隊長の前へ出せば「殊勲甲」まちがいなしというところでしょう!」そう部下が進言し、分隊長も「どうやら敵もいないようだし・・・・・・こうなったら姑娘ひとりでもつれてかえらなきゃあ手ぶらでかえるわけにもいかんな!」その部隊の暗黙の了解として、中国人女性の略取が日常化していたかのように描かれている。 かくして分隊長以下若い女性「姑娘」探しに奔走。ついに、彼らは村長宅で息を潜めて隠れている村長の娘を見つけ出し、懇願する村長夫婦を一喝して、強引に彼女を連れ去っていくのだった

    「姑娘」水木しげる著
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    langu 2015/11/30
  • 欧州の怪火伝承~ウィル・オ・ウィスプとジャック・オ・ランタン

    原因不明の発火現象「怪火」にまつわる伝承は世界中に見られる。日でも狐火や鬼火、不知火などとして知られるが、ここでは主に欧州の「怪火」にまつわる様々な言い伝えを簡単にまとめ。 「怪火」は「愚者の火(ignis fatusイグニス・ファトゥス)」と呼ばれる。その火についていくのは愚か者の所行だからである。「怪火」は大きく分けて「死の予兆」と「旅人を惑わす明かり」がある。前者は「人魂(コープス・キャンドル)」「ウィル・オ・ウィスプ」等、後者には「ジャック・オ・ランタン」等で、いずれも多数の伝説がある。 「人魂(コープス・キャンドル)」主にウェールズ地方をはじめとするブリテン諸島で見られる死の予兆。死が迫っている人の家や場所で地上を上下に飛び回り蠟燭の火のような形をしている。アイルランドとイングランド北部では生霊の蠟燭とも呼ばれる。イングランドでは死者の魂についていくと言われ、ウェールズの伝承で

    欧州の怪火伝承~ウィル・オ・ウィスプとジャック・オ・ランタン
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    langu 2015/11/30
  • 「ヒトラーランド――ナチの台頭を目撃した人々」

    「ジャーナリズムは歴史の最初の草稿( ” Jouranalism is the first rough draft of history ” )」ということわざがあるという。書は、1920年代から1941年にかけてのドイツでナチスの台頭という時代の激動に直面したアメリカ人のジャーナリスト、外交官、学者とその家族の様々な記録や証言、すなわち「歴史の最初の草稿」を元に、「ヒトラーランド」と化していくドイツの様子を描き出した一冊である。 同時代に何が起こっているのか、客観的に観察し判断することはとてもむずかしい。当時、ドイツを訪れたアメリカ人たちも同様で、「ドイツでなにが起こっているのか、そしてヒトラーがどこを目指しているのかについての解釈は、人によって大きく異なっていた」(P12)。中には非常に鋭い洞察力でヒトラーとナチスの危険性を的確に理解した者もいるが、支離滅裂なことを言うただの道化でし

    「ヒトラーランド――ナチの台頭を目撃した人々」
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    langu 2015/10/28
  • 「メキシコ麻薬戦争: アメリカ大陸を引き裂く『犯罪者』たちの叛乱」

    メキシコの麻薬組織のニュースは日でも盛んに報じられるようになった。大半は政治家や地元警察の幹部が殺されたとか、死体をバラバラに切り刻まれたとか生首が晒されたといった残酷極まるもので、相次ぐ目を覆いたくなるニュースに、メキシコで今何が起きているのかと驚かされる。 書は、近年激化の一途をたどるメキシコの麻薬組織抗争と政府の衝突について、著者が現地で当事者たちから丁寧な取材を行い、その全体像を明らかにした一冊である。第一部(第二章~第七章)では麻薬組織台頭の歴史が、第二部(第八章~第十二章)では麻薬取引の様子から生活、文化、信仰、殺し屋たちなどマフィアの実像が、第三部(第十三章~第十六章)では、現在の拡大するメキシコの麻薬組織の影響力、政府と組織、組織間の対立の構図、グローバル化するネットワーク、そして今後の展望について、400ページ以上、充実のボリュームで描かれている。 書の第一部約15

    「メキシコ麻薬戦争: アメリカ大陸を引き裂く『犯罪者』たちの叛乱」
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    langu 2015/10/12
  • 「遠山金四郎の時代」藤田 覚 著

    時代劇でお馴染みの「遠山の金さん」、桜吹雪の刺青を彫った遊び人で悪党どもをバッタバッタとなぎ倒して人情味のある判決を下す庶民派お奉行様というキャラクターが確立しているが、まぁ、言うまでもなくこれらは全て創作である。では実際の「遠山の金さん」こと町奉行遠山景元はどのような人物であったか、天保の改革を主導した老中水野忠邦との対立を軸として歴史の中の遠山景元を描くことで江戸時代後期のダイナミックな変化を浮き彫りにして、彼の業績の中に「遠山の金さん」イメージに繋がる要因を探る一冊である。 目次 第一章 遠山の金さん像の虚実 第二章 繁栄の江戸か寂れた江戸か 第三章 寄席の撤廃をめぐって 第四章 芝居所替をめぐって 第五章 株仲間解散をめぐって 第六章 床見世の撤去をめぐって 第七章 人返しの法をめぐって 第八章 近世後期の町奉行たち 第九章 「遠山の金さん」の実像 景元は寛政五年(1793)、下級

    「遠山金四郎の時代」藤田 覚 著
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    langu 2015/10/05
  • 「現代オカルトの根源:霊性進化論の光と闇」大田俊寛 著

    二十世紀のオカルティズムの拡大と浸透の過程で現代日社会にごく当たり前の思想として受け入れられている霊魂観――「肉体が潰えた後も霊魂が存続し、輪廻転生を繰り返しながら永遠に成長を続ける」(P242)ことで、やがて「神的存在にまで到達することが出来る」(P22)という進化・成長する霊魂観――はオウム真理教や幸福の科学などの新新宗教から小説映画ドラマそしてアニメーションなどのサブカルチャーまで幅広く見られる共通の思想であり、ルーツを辿ると十九世紀の神智学に行き着くものだ。 書は日に限らず現代世界に広く行き渡ったこの「霊性進化論」の誕生からナチズムや人種主義、戦後の英米のニューエイジ運動、そして現代日のオウム真理教と幸福の科学に至る展開の過程と幅広い影響を概観する一冊である。 「霊性進化論」を生み出したのはオカルトにちょっとでも興味がある人には超有名人のブラヴァツキー夫人(1831~91)

    「現代オカルトの根源:霊性進化論の光と闇」大田俊寛 著
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    langu 2015/10/02
  • 「ポル・ポト<革命>史 虐殺と破壊の四年間」山田寛 著

    破壊と殺戮の二〇世紀の百年の中でも殊更異彩を放つのが1975~79年のカンボジアを支配したポル・ポト体制であった。人口八〇〇万人の国家で、約一五〇万人から二〇〇万人が殺され、全ての国民が農地へと送られ、貨幣と市場が否定され、宗教、文学、音楽、ありとあらゆる文化が弾圧され、行政機構が解体され、多くの建造物や社会インフラが破壊された。未だ謎の多いポル・ポトによる革命を整理した一冊。 ポル・ポトとクメール・ルージュ統治下のことについてはわからないことが多い。証拠となる資料があまり残っていないこと、クメール・ルージュ時代の真相解明が政争の道具となりがちなこと、事件を総括する裁判がその後の政治状況もあってなかなか開かれず、開始されたのが2007年とかなり間が空いたこと、当事者の多くが老齢で認知症となった者もいて証言を得にくくなっていること、そしてポル・ポト一人にその責をかぶせて真実に蓋をしてしまう傾

    「ポル・ポト<革命>史 虐殺と破壊の四年間」山田寛 著
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    langu 2015/09/29
  • 「山怪 山人が語る不思議な話」田中 康弘 著

    マタギ・狩猟に関する著書が多い著者がマタギ、猟師、山で暮らす人々や山岳関係者から収集した山にまつわるちょっと不思議な話集。 著者が「こので探し求めたのは、決して怖い話や怪談の類いではない。言い伝えや昔話、そして民話でもない。はっきりとはしないが、何か妙である、または不思議であるという出来事だ」(P248)と言う通り、物語性の強い怖い話は少なく、語り手の体験の主観がよりくっきりと現れた他愛無い雑談という雰囲気が強い。 語られる不思議な話の多くに共通するのが何につけ狐や狸に化かされたという結論に至る話が多いことで、最近になっても狐に化かされるという話が説得力を持っているようだ。面白いのは、狐に化かされたというオチになる話の多くが、例えば、間違えるはずのない慣れた山道で迷ったとか、待てど暮らせどなかなか来ない待ち人が実は狐に化かされて遅れたとか、姿が見えなくなったのでみんなで探しだしてみたら意

    「山怪 山人が語る不思議な話」田中 康弘 著
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    langu 2015/09/27
  • 「大聖堂・製鉄・水車―中世ヨーロッパのテクノロジー」 | Call of History ー歴史の呼び声ー

    ヨーロッパの中世を「暗黒時代」、すなわち「暴力と狂信と無知と停滞の時代」とする見方はすでに否定されている。確かに絶え間なく続く戦争と、キリスト教的世界観の浸透と、ローマ教会の支配が築かれ、ギリシア・ローマ時代の知識が少なからず一時的ながら失われた時代ではあったけれども、後に近代を切り開く土台となる様々な技術のささやかながら着実な革新が繰り返された、ゆっくりと着実な進歩の時代であった。その中世ヨーロッパのテクノロジーとイノベーションはどのようなものであったのか、緩やかな技術革命の千年を振り返る一冊である。 別に中世ヨーロッパが栄光の時代であったとか、産業革命に比肩する技術進歩の時代だったなどと言う訳ではなく、ただただ、後進地であったヨーロッパで中世の千年間で起きていた地道な技術的革新の歩みを描いているに過ぎないが、そこにドラマがあり、面白さがある。ジャレッド・ダイアモンドとかウィリアム・H・

    「大聖堂・製鉄・水車―中世ヨーロッパのテクノロジー」 | Call of History ー歴史の呼び声ー
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    langu 2015/09/27
  • 「オカルトの帝国―1970年代の日本を読む」一柳 廣孝 編著 | Call of History ー歴史の呼び声ー

    映画、TV、小説、アニメ、マンガ、ゲームなどのサブカルチャーから宗教・思想さらには日常生活の隅々までオカルトは薄く広く拡散している。日におけるオカルトの広がりのルーツを辿ると1970年代に行き着く。では、現代日という「オカルトの帝国」の原風景といえる1970年代のオカルトの大流行はどのようなものであったのだろうか。「閉ざされた知であるオカルトが白日の下にさらされた1970年代」を描く論文集である。 ただし、絶版。ひと通りネット書店を見て回っても購入することは出来ないようなので、興味がある方は図書館か古書店で。 目次 第一部 オカルトの日 第一章 オカルト・ジャパン・シンドローム――裏から見た高度成長 第二章 小松左京『日沈没』の意味 第三章 ディスカバージャパンと横溝正史ブーム 第二部 メディアのなかのオカルト 第四章 エクソシスト・ショック――三十年目の真実 第五章 「ノストラダ

    「オカルトの帝国―1970年代の日本を読む」一柳 廣孝 編著 | Call of History ー歴史の呼び声ー
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    langu 2015/08/31