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ブックマーク / www.kyoto-u.ac.jp (12)

  • 脳型人工知能の実現に向けた新理論の構築に成功―ヒントは脳のシナプスの「揺らぎ」―

    寺前順之介 情報学研究科准教授、坪泰宏 立命館大学准教授の共同研究グループは、生物の脳のように揺らぐニューロンとシナプスで学習を実現する新たなニューラルネットワークの構築に世界で初めて成功しました。ニューラルネットワークは現在発展を遂げている人工知能の基盤技術であり、生物の脳をヒントに提案されましたが、最適化という緻密な計算を必要とするため、脳のニューロンやシナプスが示す強い「揺らぎ」とは整合しない問題がありました。この「揺らぎ」とは、脳ではニューロンやシナプスが、あたかもランダムに、つまり確率的に動作することを意味し、最適化のような緻密な計算とは一致しないようにみえます。 研究では「脳の学習は最適化ではなく、適切な具体例を生成するサンプリングではないか」と考えることでこの問題を解決し、揺らぎによって最適化なしで学習するニューラルネットワークの構築に成功しました。さらに、この新しいニュー

    脳型人工知能の実現に向けた新理論の構築に成功―ヒントは脳のシナプスの「揺らぎ」―
    lanius
    lanius 2023/03/25
    「ネットワークを構成するニューロンとシナプスが全て確率的に動作するにも関わらず、ネットワーク全体としては安定した学習が実現される」。
  • 機械学習により「動物の行動戦略」を解読 -動物は何を報酬として行動しているのか-

    田直樹 生命科学研究科准教授、山口正一朗 情報学研究科修士課程学生(現・株式会社Preferred Networks)、石井信 同教授らの研究グループは、動物の行動データから報酬に基づく行動戦略を明らかにする機械学習法を考案しました。さらに、森郁恵 名古屋大学教授らと共同で、この手法を線虫の行動へと応用することで、その有効性を示しました。手法によって、従来の行動が制限された行動実験系から開放され、より自然な状況において自由に振る舞う動物の行動戦略の研究が進むことが期待されます。 研究成果は、2018年5月15日に米国の学術誌「PLoS Computational Biology」に掲載されました。 ヒトや動物は、さまざまな状況に対してそれぞれ価値付けを行い、より価値の高い状況を目指す戦略を取っていると考えられます。今回私たちは、動物の行動データからその裏に潜む戦略を解読する計算論的手

    機械学習により「動物の行動戦略」を解読 -動物は何を報酬として行動しているのか-
  • 脳から深層ニューラルネットワークへの信号変換による脳内イメージ解読 -「脳-機械融合知能」の実現に向けて-

    神谷之康 情報学研究科教授、堀川友慈 株式会社国際電気通信基礎技術研究所主任研究員の研究グループは、ヒトの脳活動パターンを深層ニューラルネットワーク(deep neural network model、以下DNN)等の人工知能モデルの信号に変換して利用することで、見ている画像に含まれる物体や想像している物体を脳から解読する技術の開発に成功しました。研究成果は、人工知能の分野で進展が著しいDNNをヒトの脳と対応づけることで、脳からビッグ・データの利用を可能とする先進的技術です。 研究成果は、2017年5月22日午後6時に英国の科学雑誌「Nature Communications」に掲載されました。 研究者からのコメント 研究では、ブレイン・デコーディング、DNN、大規模画像データベースを組み合わせることで、脳活動パターンから、知覚・想起している任意の物体を解読する方法を開発しました。人

    脳から深層ニューラルネットワークへの信号変換による脳内イメージ解読 -「脳-機械融合知能」の実現に向けて-
  • 視覚認知において色と形の情報が統合される仕組み -位置に依存しない物体記憶の生成-

    「特徴が統合された認知」は一見自明のようですが、そのメカニズムは未解明です。今回の知見は、この「結合問題」の解明に向けた一つの手がかりになると考えています。 研究成果のポイント 視覚記憶における特徴統合の評価法を開発し、色と形の特徴の統合に関する明確な証拠を世界で初めて発見 有力な理論の主張とは異なり、特徴統合された物体情報を位置に依存しない形で保持できることを明らかに この成果の発展により、複雑な視覚情報の認知が必要な運転行動や機械操作の安全性向上、動きながら外界を認識するロボットビジョンシステムの高度化、ウェブページやスマホ画面を用いた複雑な視覚情報の効率的な伝達に役立つ手がかりを提供 概要 私たちは外界の事物を認識する際、色や形をバラバラの特徴ではなく、ひとつの物体として認識していると感じています。しかし、視覚情報処理の初期段階では、物体を構成する各特徴は独立に処理されていることが

    視覚認知において色と形の情報が統合される仕組み -位置に依存しない物体記憶の生成-
  • どうして正直者と嘘つきがいるのか? -脳活動からその原因を解明-

    阿部修士 こころの未来研究センター特定准教授らの研究グループは、機能的磁気共鳴画像法と呼ばれる脳活動を間接的に測定する方法と、嘘をつく割合を測定する心理学的な課題を使って、正直さ・不正直さの個人差に関係する脳の仕組みについて解明しました。 研究成果は、米国科学雑誌「Journal of Neuroscience」誌の電子版にて公開されることになりました。 人生の中で嘘をついてしまうことは、誰しもが経験することです。 今回の研究では脳の側坐核のはたらきと、正直さの個人差が密接に関連していることが明らかとなりました。 ただし、側坐核の活動が高いからといって、その人は嘘つきである、と判断することはできません。また、今回の研究から、正直さ・不正直さの個人差の原因の全てが解明されたわけではありません。今後の研究を通じて、人間が嘘をつく生物学的なメカニズムをさらに追及していきたいと考えています。 概

    どうして正直者と嘘つきがいるのか? -脳活動からその原因を解明-
    lanius
    lanius 2014/10/16
    「側坐核の活動の個人差によって、人間の正直さ・不正直さがある程度決まることを示した」。
  • モノの背後を見る脳の仕組みを解明 -視対象の部分像から全体像を復元する第1次視覚野の活動をfMRIで観察-

    2013年10月23日 山洋紀 人間・環境学研究科助教、江島義道 同名誉教授、番浩志 脳情報通信融合研究センター研究員(元人間・環境学研究科所属)、福山秀直 医学研究科教授、花川隆 国立精神・神経医療研究センター脳病態統合イメージングセンター分子イメージング研究部部長(元医学研究科助教)らのグループは、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を用いて、遮蔽物体を見ている際の人間の脳活動を計測し、後頭部に位置する第1・2次視覚野(V1/V2)において、遮蔽されて欠損した視覚像がまるで絵を描くように補完されて、物体の全体像が再構成されていることを明らかにました。さらに、このV1の補完に関わる活動は、観察者が事前に見ていた物体の形を反映して、補完が必要でないと判断される場合には生じないことも明らかにしました。 研究成果は、米国の神経科学雑誌「ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス」2013年10月23

    モノの背後を見る脳の仕組みを解明 -視対象の部分像から全体像を復元する第1次視覚野の活動をfMRIで観察-
  • 水も油もよく撥く柔軟多孔性物質「超撥水・超撥油性マシュマロゲル」の開発に成功 - 汚れを寄せ付けない素材として応用に期待 -

    ホーム 水も油もよく撥く柔軟多孔性物質「超撥水・超撥油性マシュマロゲル」の開発に成功 - 汚れを寄せ付けない素材として応用に期待 - 中西和樹 理学研究科准教授、金森主祥 同助教、早瀬元 博士後期課程学生の研究グループは、撥水性表面をもつ柔軟多孔性材料「マシュマロゲル」の細孔表面に撥油性の分子を結合させて表面エネルギーを低下させることにより「超撥水・超撥油性(水滴・油滴とも接触角が150度以上)マシュマロゲル」の開発に成功しました。 研究成果は、独化学誌「アンゲヴァンテ・へミー・インターナショナル・エディション(Angewandte Chemie International Edition)」オンライン版(2013年9月5日)に掲載されました。 概要  撥水・撥油性表面は防汚などの応用面から注目されている性質ですが、そのような表面の作製は容易でなく、表面微細加工技術などを駆使したさまざま

    水も油もよく撥く柔軟多孔性物質「超撥水・超撥油性マシュマロゲル」の開発に成功 - 汚れを寄せ付けない素材として応用に期待 -
  • チンパンジーも脳の右半球に優位に依存して顔を認識することが明らかに-顔知覚様式および脳の左右脳非対称性の進化的基盤の解明に期待-

    下の2枚の写真のうちどちらが上の写真と似ていると感じられるでしょうか? なんとなく左の写真のほうが似ているような印象を持たれるのではないでしょうか。実は、下の2枚の写真は、上の顔の左半分のみ、右半分のみの情報を持つように加工した「キメラ顔」です。左のほうがなんとなく似て感じられるのは、ヒトが顔を認識するときに、脳の右半球により依存していることを反映しています。目に映る情報のうち、左視野への入力は右脳に、右視野への入力は左脳に最初に送られます。最初に顔を見た際に、脳の右半球により依存して顔の認識を行うため、左視野からの(つまり写真の左半分)からの情報がより印象に残るのです。一方で、図2で同じように写真を見比べてください。 この場合は、おそらく印象の差異はほとんど生まれないのではないでしょうか? ヒトの顔認識が、同種であるヒトの顔により特化したチューニングがされているため、チンパンジーの顔に対

    チンパンジーも脳の右半球に優位に依存して顔を認識することが明らかに-顔知覚様式および脳の左右脳非対称性の進化的基盤の解明に期待-
  • チンパンジーも他者の表情を素早く察知-脳波測定による解明-

    平田聡 霊長類研究所特定准教授らの共同研究グループは、チンパンジーが情動的画像を見る際の脳内処理について、世界で初めて脳波測定によって明らかにしました。チンパンジーのおびえた表情などを捉えた情動画像と、穏やかにくつろぐ姿などを捉えた中立画像をチンパンジーに見せ、その際の脳波を比較したところ、画像が表示されてからおよそ210ミリ秒(0.21秒)以降に両者で明確な違いが生じることを発見しました。 研究成果は、2013年2月26日(英国時間10時00分)に、英国の総合科学誌ネイチャーの姉妹誌「Scientific Reports」に掲載されました。 背景  これまで、ヒト以外の動物の「情動(喜怒哀楽)」に焦点を当てた研究はさほど多くおこなわれてきませんでした。しかし一方で、私たちは、日常生活の中で、ヒト以外の動物にも情動・感情があることを前提にした会話をよく交わします。例えば、イヌが尻尾を振っ

    チンパンジーも他者の表情を素早く察知-脳波測定による解明-
  • 母親と他人の狭間 -赤ちゃんが示す「不気味の谷」現象を発見-

    2012年6月13日 明和政子 教育学研究科准教授、岡ノ谷一夫 東京大学大学院総合文化研究科教授と科学技術振興機構(JST)戦略的創造研究推進事業 ERATO型研究「岡ノ谷情動情報プロジェクト」の松田佳尚 研究員らは、赤ちゃんの「感情の発達」と「母親を認識する能力」の関係を研究し、母親と他人を半分ずつ重ね合わせた「半分お母さん」の顔を見ようとしない「不気味の谷」現象を発見しました。 生後半年以降の赤ちゃんは母親と他人を区別したうえで、両者を好んで見ることが知られています。「母親(親近感)」と「他人(目新しさ)」は、全く違う存在にも関わらず、赤ちゃんが両方を好んで見るため、どのように母親と他人の区別をしているのか分かりませんでした。また、どの程度母親の顔に敏感かも不明でした。 研究グループは、この問題を解明するために、生後7~12ヵ月の赤ちゃん51名が、母親、他人、「半分お母さん」の3種類

    母親と他人の狭間 -赤ちゃんが示す「不気味の谷」現象を発見-
  • ギャンブルへの慎重さに脳内のノルアドレナリンが関与

    経済的あるいは社会的損失などの不利な結果を招くと予想されるにもかかわらず、ギャンブルを止められないギャンブル依存症は現在、家庭崩壊や犯罪の原因になるなど社会問題となっています。反対に過度に損失を恐れてリスクを取らない判断ばかりであると、ビジネスも学術も革新的な進歩は望めません。 高橋英彦 医学研究科准教授(独立行政法人 放射線医学総合研究所(理事長:米倉義晴、以下、放医研)分子イメージング研究センター 分子神経イメージング研究プログラム(須原哲也プログラムリーダー)客員研究員)は、PETを用いて、利得と損失の双方の可能性があるリスク判断をする時に、利得よりも損失に比重を置く傾向の強さに脳内ノルアドレナリンが関与していることを世界で初めて明らかにしました。 今回の研究では健常者を対象に、経済理論を用いて利得と損失の双方の可能性があるギャンブルに際して、利得と損失のどちらに比重を置くか検証した

    ギャンブルへの慎重さに脳内のノルアドレナリンが関与
  • なつかしさは何によって引き起こされるのかを明らかにしました — 京都大学

    2010年9月24日 なつかしさは、何によって引き起こされるのか、年齢によってどのように変化するのか、なつかしさを引き起こすノスタルジア広告(レトロ・マーケティング)の効果はどのようにして起こるのかについて、楠見孝 教育学研究科教授らがまとめた調査結果が、日心理学会の英文学術誌Japanese Psychological Research(Wiley-Blackwell社発行)に掲載されました。 この論文では、(1)なつかしさを引き起こすことがらは、過去の繰り返しの経験(反復接触)と長い空白時間(例: 昔のヒット曲、学校の場面)が重要であること、(2)なつかしさが引き起こされたり、昔をなつかしむ傾向は、男女とも加齢による上昇が見られ、男性の方がやや高いと分析しています。 論文名 Kusumi, T., Matsuda, K., & Sugimori, E. (2010). The eff

    なつかしさは何によって引き起こされるのかを明らかにしました — 京都大学
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