「科学がイデオロギーに左右されるという主張があるけど、蒲田の見解はどう?」という質問を受けたので、ここで僕の考えを書いてみる。僕はこの分野について専門的な勉強をしていないし、長く科学に関する議論に関わってきた中で得た、断片的な知識*1からの話しかできないんだけど書いてみようと思った。 科学は客観的事実を扱う分野であるためイデオロギーとは無関係…と考える人もいると思うけれど、それほど単純にとらえてはいけないと思う。これは、科学の限界というより人間の限界って話なんだけど、僕らは「究極の真実」=「一片の曇りもない完璧な客観的事実」を知らない。知ることはできない。答えを知らないからこそ、何かを判断するときに間接的な根拠に基づいて考えなければいけないってことになる。 そうやって出した答えは、多かれ少なかれ「振れ幅」を持つことになるんだ*2。そうすると、どうしても究極の真実とはズレたことを正しいと考え