こんにちは。蒲田です。 前回は錯覚は単なる「間違い」とか「非合理」とか言われるものではなくて、人間が生きていく上でとても役立つ、必要な機能だという話で終わりました。 「そうは言っても、ああ見えるのはただの間違いだということに変わりないでしょ」という気持ちが残ったままの人がいるかもしれませんね。では、さらにもうちょっと入り込んでみましょう! 実は、錯視の原因となっている機能の中には、現実をきちんと認識するために必要な機能もあるということが言われるようになってきています。まずは、とても有名な「ミュラー・リヤー錯視」を見てみましょう。 (下條信輔 1999 とは何だろうか−脳の来歴,知覚の錯誤− 講談社現代新書 p.16を参考に作成) Aは長く見えて、BはAより短く見えます。三次元の現実世界では遠近感がありますから「遠くにあるものは小さく見えるはず」ですよね。こういった考え方を進めれば