昨今の解雇規制をめぐる議論がぐちゃぐちゃになる一つの理由は、左派がメンバーシップ型感覚にどっぷりつかってジョブ型システムをまったく理解していないということもありますが、それ以上に事態を悲惨なものにしているのは、自分では欧米型を主張しているつもり(あくまでも「つもり」)の連中が、実は極めて日本的な「貴様ぁ解雇」「この無能野郎解雇」を意識的無意識的に前提にしていることでしょう。 実際、『日本の雇用終了』には、具体的にどのジョブのどういうスキルがないのかまったく不明な「能力を理由とする解雇」がてんこもりです。 ある種の人々は、なにかというと無能な中高年をクビにして云々というけれども、そもそも明確なジョブディスクリプションのない日本だから、そういう言葉だけの無能呼ばわりができるのであって、仕事のスペックを明確にして雇っている世界であれば、それができていないということをきちんと立証しなければいけない
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