世界的なコロナ危機の状況下にあって、コロナ対応においては、私権制限をできる権威主義国家の方が民主主義国家より「優れている」という言説が、データを論拠に散見される。果たしてそうなのか? 早稲田大学高等研究所の安中進講師が、改めてデータを分析し、コロナ下の政治体制を検討する。 (『中央公論』2021年9月号より) 新型コロナウイルス(以下、コロナウイルス)が世界中で猛威をふるっている。ワクチンの開発と普及にともない、予防接種の進んだ国々では収束の傾向も若干見られるが、完全な出口の展望はいまだに開かれていない。 この未曽有の危機に際し、民主主義という政治体制のもとでは、大規模なパンデミックに機動的、能動的に対応できず、多くの死者が出ることが避けられないと悲観的に考える向きもある。実際、少なからぬ有識者が、コロナウイルスへの対応では、私権を強制的に制限できる権威主義国家の方が民主主義国家より優れて
![民主主義は権威主義に劣るのか? コロナ下の政治体制を分析する 安中進|政治・経済|中央公論.jp](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/67ba7a7d4e9cbd46a5c2692715ea93ae8c007893/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fchuokoron.jp%2Fassets_c%2F2021%2F08%2F2eb45f903b79dcc7ba26ee718e745acd9a02b855-thumb-660x440-19184.jpg)