日曜日、場所は百貨店の屋上。子ども達は景色を眺めていますが、父親はつまらなそうです。子ども達を百貨店へ連れてきたかったからではなく、他に行く場所がなかったから来ただけです。空に誘われるように男は屋上から身を投げ出し、地上に棒となって落下します。自殺したこの男は、要は何の役にも立たない「でくの棒」だったのです。 学生と教授が、この棒を研究対象に選びます。つまりこの男の「生きる意味」が何であったのかを調べるためです。しかし、一人の人間の生きる意味を学生が客観的に研究すること自体がたいへん残酷な行為です。この作品の主題は「生きることから疎外され、生きる意味を見失っている現代人を描く」ことです。
![安部公房の《棒》についての質問です。 - 学校の宿題の為、この本を読みましたが、意味がわかりませんでした。わたしって言うのはもともと棒... - Yahoo!知恵袋](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/1d07bee2b75b182ba712690f3a3464c29972e28b/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fs.yimg.jp%2Fimages%2Fks%2Fclap%2Fimage%2Fogp%2Fogp.png)