ハードウェアの性能は年々向上するが、ITシステムの性能問題が解決したという話は聞かない。システムの機能要件を満たすことと、構築したシステムが予想したとおりの性能を出すということは別次元の問題なのである。システムの性能は、開発工程の最初から管理しなければならない。そのための考え方と実践的な解決策を提示する。 ハードウェアの性能は上がったが、システムの性能問題はいまだに解決しない プロセッサのクロック数は電子的な限界に近づくほど速くなり、メモリは数十GBを搭載するサーバが当たり前。有り余ったハード資産は、仮想化技術でようやく有効活用できるといわれるほど、近年のハードウェア性能は目覚ましい進歩を遂げています。ハードウェア性能の例として、サーバ性能の指標値とされるベンチマーク値に注目してみましょう。SPECjbb2005という受注処理のベンチマークを例にすると、最新エントリレベルサーバで、40,0