海、陸と話が続いたので、やはり空の上の話もしなければいけないだろうと考えた。そこで今回は「温故知新」ということで、まず第2次世界大戦中の話から始めてみようと思う。 航空戦の指揮における特徴 指揮所に指揮官がいて、全体状況を見ながら、必要なところに必要な戦力を差し向ける。これができないと任務を達成できないのは、陸海空のいずれも同じだ。ただし航空戦の指揮には、陸戦や海戦にはない特徴がある。 それは、指揮官が状況を目視で把握しながら指揮するのは非現実的、というところ。戦の道具として見たときの航空機の特徴は、「スピードが速い」「行動範囲が広い」「3次元の動きをするので戦場が立体化する」の3点だが、いずれも、目視による状況把握を阻害する要因となる。そもそも、数百kmも離れた場所、あるいは何千mも上の高空の状況を、目視で的確に把握するのは無理な相談だ。 また、航空機は地上に縛り付けられているわけではな