“関羽や張飛”のようなスタープレーヤーをそろえるだけでは戦には勝てない。結果を出すためには、個々の力を使いこなすための智恵が求められる。 『技術力で勝る日本が、なぜ事業で負けるのか』? 1つ1つの技術特許は、三国志に例えれば関羽や張飛、趙雲に値するほど強力だ。それほどの武将を数多く擁していながら、なぜ決戦となると欧米企業に敗れがちなのか。日本企業には天才軍師、諸葛孔明がいないからなのか――。 本書では、冒頭において以上のような問い掛けを発し、欧米企業が強いのは「ビジネス戦略を徹底して考え抜く軍師団がいる」ためであろうと、まず結論から提示する。むろん、これまでも「日本企業が世界で勝てない」理由について、「知的財産権を取得していないからだ」「国際標準を獲得していないからだ」という議論もあった。だが、それらを取得していても負けてしまう事業は少なくない。その理由として、著者は、日本企業が個別の要素