自殺対策といえば、「いのちの電話」などの相談窓口が思い浮かぶ。ただ、生きるのがつらくなった人が必ずしも助けてほしいと相談するわけではない。人と関わることなく、ネット空間に気持ちを吐き出しているケースもある。それらは対処の仕方が分からず、長らくそのままにされてきた。しかしそうしたサイバー空間に飛び交う「死にたい」思いをすくい上げ、自殺予防につなげようとする研究がなされている。果たしてインターネットで自殺は防げるのか――実証データに基づき検証している数少ない研究者、和光大学・末木新教授に話を聞いた。(取材・文:西所正道/Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部) 悩みを抱えた人の孤立や孤独を防ぐ人のことを、「ゲートキーパー(命の門番)」と呼ぶ。それをネットの中で展開しようというのが、末木新さんが関わっているプロジェクトだ。 「パソコンやスマホの検索で“死にたい”とか“自殺方法”、あるいは“