同じく2016年秋に公開され、大きな話題を呼ぶと同時に、年度末には数々の映画賞に輝くなど、高い評価を獲得した2つの日本映画――『永い言い訳』の西川美和監督と、『この世界の片隅に』の片渕須直監督の対談が実現した。 今年2月、ともに出席した『毎日映画コンクール』の授賞式で、初めて言葉を交わしたという二人。実写とアニメという手法の違いはもちろん、性別も年代も異なる両者は、お互いの映画をどんなふうに見たのか。さらには、この2作をはじめ、作品的にも興行的にも、大きな盛り上がりをみせた、昨年の日本映画の状況に対し、二人はそれぞれどんな思いを抱いているのか。 奇しくも『この世界の片隅に』の舞台である広島県の出身である西川と、彼女の作品をすべて見ながら、その核心に「嘘」があることを見抜いた片渕。まったく違うようでいて、随所で思わぬ意気投合ぶりをみせる対談の行方は? 日本映画の未来が、ここにある。 人の心と