9月21日に都内で、レイセオン・テクノロジーズによる報道関係者向けセミナーが行われた。お題は「デジタル・トランスフォーメーション」、いわゆるDXである。もちろん、DXといってもヤマハのシンセサイザーとは関係ない。 DXに関する勘違いが懸念される セミナーの趣旨は、「レイセオン・テクノロジーズにおける製品開発の現場で、最新のデジタル技術をいかに活用しているか」という話であった。 分かりやすいところだと、「以前には現物を試作してテストしていたものを、コンピュータ上でのシミュレーション試験に変える」、「レーダーを艦上に設置する場面で空間の取り合いを検討するのに、実大模型を作る代わりにデジタル・モックアップを活用する」といった話が挙げられる。 ただし、これを見ていて感じたことが一つある。前提となる知識や思想がない状態で、いきなりこのセミナーのプレゼンテーションを見せられたら、「デジタル・モックアッ