経営者にとって、情報システムは頭痛の種になりがちだ。業務に必須だが投資に見合った効果が出るとは限らない。ほかの設備投資に比べて専門的で難解でもある。 野村総合研究所で約20年間勤務した後に、人材派遣大手スタッフサービスのCIO(最高情報責任者)を務め急成長を支えた著者が、ベンダーとユーザー両方の視点から、“システム屋”の思考回路と、上手な付き合い方を説く。 第15回から前回(第18回)まで、IT(情報技術)業界で働くコンサルタントの特性について説明してきました。 今回からは視点を変えて、ダメな“システム屋”を生むIT業界の取引構造について書きたいと思います。ここで触れることは既に業界内ではよく知られていることかもしれませんが、私が“システム屋”と呼ぶITベンダーやシステム・インテグレーターの、特に経営層が放置している問題点として、改めて指摘したいと思います。 製造業に比べて明るみに出にくい
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