田辺三菱処分 なぜ薬害の反省生かせぬ 2010年4月16日 10:27 カテゴリー:コラム > 社説 「性懲りもない」とは、まさにこのことをいうのだろう。田辺三菱製薬(大阪市)が、新薬の試験データを組織的に改ざんした子会社の監督責任を問われる形で、子会社とともに厚生労働省から一部業務の停止(25日間)を命じられた。 同社は、薬害C型肝炎の感染源とされる血液製剤「フィブリノゲン」を製造販売した旧ミドリ十字を引き継いだ三菱ウェルファーマと、田辺製薬が2007年に合併して誕生した。薬害肝炎訴訟の被告企業として08年の和解の際、薬害発生を謝罪して再発防止を誓っていた。 それだけに、薬害訴訟原告団から「再発防止の約束は守られるのか」と怒りの声が上がるのも無理からぬことだ。全国原告団の山口美智子代表が「人の命を預かり、これまでも薬害に関与した企業として『子会社が勝手にしたこと』では済まされない」と憤