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2015年3月7日のブックマーク (10件)

  • 繰り返される歴史の中に希望を見る――坂野潤治『〈階級〉の日本近代史』 - Danas je lep dan.

    歴史に関するの賞味期限は様々だ。史料の類は措くとしても,1世紀にわたり読み継がれる古典的研究書もあれば,暇潰しに読み捨てられ顧みられない「れきしのほん」もある。だが賞味期限が短いものはすべてダメというわけではない。“現在”の状況に沿って“現在”の読者のために書かれ,ひょっとしたら数年後には時代遅れになっているかもしれないが,それでも読まれるべき価値のあるというものはある。 ……ということで,EU労働法の濱口先生のブログでも取り上げられていた坂野潤治先生の新著。『昭和史の決定的瞬間』がぐう面白かったけど他のを読まずにいたのだが,非常にタイムリーな新刊が出たので買わざるを得なかった。流石の選書メチエである。実際のところブログにお越しの方々はもうとっくに読了されているだろうが,未読の方がもしおられるなら全力でおすすめしたい。ちょー面白いですよ,これ。〈階級〉の日近代史 政治的平等と社会

  • 「世界史の中のアラビアンナイト」西尾 哲夫 著

    アラジン、アリババ、シンドバードの物語に代表されるアラビアンナイト(「千一夜物語」)。世界中で愛されるこの物語は九世紀頃バグダードで誕生し、各地の伝承を取り込みながら十八世紀に欧州に紹介された後、来の姿から離れて独自の展開をたどるうちに世界文学として確立されていった。その変貌の過程を丁寧に辿ることで、アラビアンナイト成立史を通してヨーロッパとイスラームという異文化の邂逅、オリエンタリズムの増幅と、異文化を通して自文化を内省するオリエンタリズム的文学空間の創出という結実へと至る様を描く非常に面白い一冊。 現存する最も古い千一夜物語「アルフ・ライラ・ワ・ライラ」の記録は、1947年にエジプトで発見された。行政文書などに混じって発見された紙片には、現在の千一夜物語では語り手シェヘラザードの妹とされるディーナーザードが「楽しいお方」に話をねだる全体の冒頭部分である枠物語が書かれ、その余白にこの紙

    「世界史の中のアラビアンナイト」西尾 哲夫 著
  • 「カントリー・オブ・マイ・スカル―南アフリカ真実和解委員会“虹の国”の苦悩」

    1990年、ネルソン・マンデラが釈放され、アパルトヘイト政策の撤廃がデクラーク大統領によって宣言されると、南アフリカは内戦の危機に陥った。それまで特権を享受していた白人は黒人からの復讐におそれをなし、極右白人勢力は爆弾テロを開始、アパルトヘイト体制に近い黒人ズールー民族主義者が同じ黒人の反アパルトヘイト運動政党アフリカ民族会議(ANC)派の民衆を攻撃し始め、各地で白人、黒人、カラード入り乱れての暴動と武力衝突が頻発する。 ポストアパルトヘイト体制への移行をどうするか?最大の問題点は各勢力とも、勢力が均衡して武力を行使しうるだけの力を持っていることだった。ゆえに一方を排除した体制を構築するならば、たまりにたまった民衆の怒りと憎悪に後押しされて容易に内戦に突入しかねない。そこで彼らは権力移行に際してすべての勢力を取り込んでの体制づくりという妥協の道を模索し、アフリカ民族会議(ANC)と旧与党国

    「カントリー・オブ・マイ・スカル―南アフリカ真実和解委員会“虹の国”の苦悩」
    lotus3000
    lotus3000 2015/03/07
    人種主義がもたらしたカオスについて。ボーア戦争の敗退とアフリカーンズの挫折からきた人種主義の帰結。
  • 何かが好きなら、せめてそれを、何かを殴るための道具にしない程度の誇りを持ちたい - 頭の上にミカンをのせる

    自分の好きなものが何かを雑に殴る道具として雑に使われてるのを見るとピキピキッとなるので— 魔王14歳@星見の塔 (@valerico) 2015, 2月 15 私も良くやるけど、何かを語りたいとき、特に何かを褒めるときに、 その照れ臭さや自信のなさを隠すためにか、対比として何かをけなすためだけに持ってくるのはほんまダメだ それ抜きで褒められるというか褒めたいもの、単体だけで自信を持って語れるものが欲しい— よしき (@yoshiki_kabu) 2015, 2月 15 好きなものがあると、なんとかしてその好きなものの価値を証明したくなる。 好きなものがあると、なんとかしてその価値を守りたくなる。 そういう時に、手っ取り早く「比較」したがるのはしょうがないと思う。 そういう気持ちになっても、あえてそれをやらない人を格好いいと思う。かくありたい。 自分を好きでいたいがために、自分が好きな守るた

    何かが好きなら、せめてそれを、何かを殴るための道具にしない程度の誇りを持ちたい - 頭の上にミカンをのせる
    lotus3000
    lotus3000 2015/03/07
    いい言葉だ。”何かが好きなら、せめてそれを、何かを殴るための道具にしない程度の誇りを持ちたい”
  • 自分の憎悪やルサンチマンを肯定するために仮想敵を作る行為そのものが問題 - 頭の上にミカンをのせる

    徴兵制推進論者についてはまずこの記事を読むといいと思います 徴兵制推進論と「想像の共同体」化する「世代」 | Kousyoublog 「世間」「社会」という枠組みの中で緩やかに繋がりあった旧来の意味での「世代」ではなく、 その境界線が憎悪でもって引かれることで成立する「世代」が登場している 何が言いたいかというと、確かに徴兵制推進論者はバカに見えるかもしれないけれど、それに対して煽り返して満足するだけになってしまうと、同じ憎悪の構造にとらわれていることになるので、そこから抜け出せるようになりましょうということです。 問題なのは、「憎悪」「被害者意識」によって集団が形成されていくこと 基的に、 ・徴兵制推進論者 ・生活保護叩き ・ブラック企業が最近までむしろ擁護されていたこと ・老害VS若者という対立構図を前提としたチープな社会理解 などなど。すべて背景に同じ構造があると思われます。多分探

    自分の憎悪やルサンチマンを肯定するために仮想敵を作る行為そのものが問題 - 頭の上にミカンをのせる
  • 徴兵制推進論と「想像の共同体」化する「世代」 | Kousyoublog

    断続的に話題になる徴兵制だが、実際施行されたら武器の扱いや格闘術に練達した若者が社会に溢れる訳だけど、おそらく兵役に就かないであろう徴兵制を主張する主に年配の、社会的地位が比較的高い人たちは、果たしてその現実に冷静でいられるだろうか。彼らは自身よりはるかに高い戦闘能力を持った「キレる若者」にいつ襲われるかという猜疑心に支配され、拭うことのできない不安な日々を送ることになる。問題は若者の軟弱さにではなく、自身が抱く「若者」という想像上の集団に対する不信であろうから、徴兵制を声高に叫ぶことで自身のその不安から目を背けるのではなく、正面から向き合わない限りその不安は増大する一方だろう。まぁ、そんな自己の客観視が簡単に出来るのならばだれも苦労はしないだろうし、徴兵制を主張するまでには、その弱さを覆い隠すため幾重にも自己確信に到る「正しい情報」を積み重ね、自己の価値観を無謬なものにまで肥大化させてい

    lotus3000
    lotus3000 2015/03/07
    若者恐怖からくる徴兵制願望に対する反応。想像の共同体としての世代。
  • 憎悪の共同体

    人は自分が嫌っている者に対して、他の者も一緒に嫌ってくれることを切望して止まない厄介な側面を、多かれ少なかれ持っている。(写真はアウシュヴィッツ強制収容所)  自分がある人間を嫌うには、当然の如く、嫌うに足る充分な根拠があると確信し、その確信を他者と共有することで、特定他者に対...

    憎悪の共同体
  • おたくのかかる病気

    ここで言う「おたく」とはマンガ・アニメおたくを指します。「おたく」の定義はよく解りませんが「自分はマンガ・アニメが大好きである」と宣言できる人たちとしましょう。その彼らがマンガ・アニメを楽しむためにこの世界に入ったにもかかわらず、時としてマンガ・アニメを全く楽しめない状態におちいる時があります。それには様々な原因があるようで、僕はそれを「おたくのかかる病気」と総称して以下に思いつく限り書き出してみました。“病気”などと物々しく書いてありますが、それほと深く考える必要はないです。(変に意識し過ぎてこれから逃れよう逃れようとすると別の穴に落ちることも多いです)「どうも最近何を観てもつまらない」と思ってる人がちょっと視点を変える手助けになれば幸いです。 絵柄病  マンガ・アニメで自分の好みの絵柄やデザインでなければ、その作品を見向きもしない状態。実は普通の人間の普通の行為で『病気』でも何でもない

    lotus3000
    lotus3000 2015/03/07
    自戒のため。
  • ララビアータ:トクヴィル - livedoor Blog(ブログ)

    前回読んだ時には、アメリカの司法制度と司法エリートの役割に大きな印象を受けたが、分量からするとずいぶん少ないページしか占めていないことがわかる。トクヴィルは、民主主義の下で自由を守るためには、司法権の確立が重要であることを当然に強調するが、とりわけ陪審制の意義について語られたくだりは(第一巻下 第二部第8章邦訳p−182以下)、それを読んで以来、私を一貫して陪審制度支持者にしたほどであった。 陪審制は各人に自分自身の行動に責任を回避せぬ事を教える。これは雄々しい気質でありそれなくして政治的徳性は有り得ない。…自分の仕事とは別の事柄への関与を強いる事で、社会の錆とも言うべき個人的利己主義と闘うのである。(p−188) 最近の司法改革で、我が国もようやく陪審制復活に向ってささやかな一歩を恐る恐る踏み出しつつあるが、それに対してさえ、まことに低次元の批判や躊躇が公然とささやかれている有様である。

  • 対人関係療法でなおす 双極性障害 - 頭の上にミカンをのせる

    双極性障害は一生にわたって付き合っていかなければならない病です。とはいえ、治らないからと言って放置してよいものではありません。放置すればするほど人の状態のみならず、周囲の状況も悪化していきます。ますます治療が困難になります。 しかし、それがわかっていても、 ①双極性障害であることを受け入れて ②双極性障害の治療を開始し ③双極性障害の治療を継続し ④双極性障害の治療のための環境を整えること は非常に難しいです。 その理由について下記のの内容を元に簡単に説明してみます。 対人関係療法でなおす 双極性障害posted with ヨメレバ水島広子 創元社 2010-07-09 Amazon 双極性障害の治療の基的なプロセス まだまだわからないことは多いのですが(特に薬物治療について)ある程度治療のプロセスは確立されています。 薬物療法・精神療法・心理教育などを組み合わせて ・Ⅰ型の場合は薬

    対人関係療法でなおす 双極性障害 - 頭の上にミカンをのせる
    lotus3000
    lotus3000 2015/03/07
    泣きたくなる。しかも発見が難しいのもつらい。