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ブックマーク / kousyou.cc (35)

  • 賢者は歴史に学ぼうとして偏った歴史の類推に執着する | Kousyoublog

    米国の歴史学者アーネスト・メイ(1928-2009)は、1973年の著書「LESSONS OF THE PAST : The Use and Misuse of History in American Foreign Policy(「歴史の教訓 アメリカ外交はどう作られたか」(中央公論社1977年刊、2004年岩波現代文庫より再刊))」で、アメリカの外交において、政策決定者たちはその決断の際に過去の歴史から類推して参考にし、多くの場合その類推は誤用であったということを解き明かしている。それは以下の二つの特徴として現れるという。 1) 外交政策の形成者は、歴史が教えたり予告したりしていると自ら信じているものの影響をよく受ける。(序文iiiより) 2) 政策形成者は、歴史の中に類推を求める時、自らがまず思いついたことに囚われてしまいがちである。彼らは、歴史の類推例を広範囲にわたって探し出そう

  • 「あなたはなぜ「嫌悪感」をいだくのか」レイチェル・ハーツ 著 | Kousyoublog

    お話は納豆からはじまる。日ではこの大豆を発酵した品は非常に好まれるが、日人でなければ、ねばねばした糸を引き、独特の臭いが漂う納豆はとてもべ物とは思えない「嫌悪感」すら覚える何かだ。一方、同じ発酵品、イタリア・サルディーニャ島で好まれる羊のチーズ、カース・マルツゥは独特の臭いとともに生きた蛆虫の幼虫が入っていて、べる時には蛆虫が入ってこないように目を守る必要がある。カース・マルツゥに限らずペコリーノ・マルチェットなど虫入りのチーズは少なくない。現地の人々に好まれる虫入りチーズも、他の文化圏の人々には納豆同様に「嫌悪感」を覚えるだろう。 そんなと臭いの嗜好に関する嫌悪感から始まり、病気、道徳、秩序、他者、さらには人種差別や外国人嫌悪まで「嫌悪感」を生む脳のメカニズムと社会心理について、嗅覚心理学者である著者が現状の研究成果を一般向けにわかりやすくまとめた一冊。 あなたはなぜ「嫌悪

    「あなたはなぜ「嫌悪感」をいだくのか」レイチェル・ハーツ 著 | Kousyoublog
    lotus3000
    lotus3000 2016/02/10
    興味深い記事。いいおじさんだ。嫌悪を引き受けるって並大抵ではないよ。
  • 自由主義の歴史が無い社会の陥穽に関するトクヴィルの論メモ | Kousyoublog

    昨日の記事を書いたときに久しぶりにトクヴィルの「アメリカのデモクラシー」をパラパラと読んでいたので、昨日引用した部分周辺、第二巻(下)「第四部 民主的な観念と感情が政治社会に及ぼす影響について」からまた少し引用してみる。 トクヴィルは平等が重要な理念であることを認めつつ、広がる平等の観念が独立の気風を生む一方で、個々を孤立させ無力にし、その帰結として専制的な権力を生む危険性があることを危惧していた。そんな中で、自由主義の歴史がある社会では、平等から生まれる専制的傾向に対して抵抗が行われ、独立が損なわれることはないが、自由主義の歴史が無いままに平等だけが与えられた社会については以下のように警鐘を鳴らしている。 『かつて自由を知ったことがなく、あるいは長い間これを見失っていた国に平等が成長しだすと、国民の古い習慣が突如として、ある種の自然の魅力に惹かれて、社会状態の産み出す新たな習慣や教義と結

    自由主義の歴史が無い社会の陥穽に関するトクヴィルの論メモ | Kousyoublog
  • 「いじめとは何か―教室の問題、社会の問題」森田 洋司 著 | Kousyoublog

    いじめ問題に関する間違った思い込みに『いじめは日固有の問題であり、海外いじめはない、あったとしても被害も頻度も問題にならないほど小さい』(P40)というものがある。僕自身、ここまでではないにしても似たような思い込みがあった。 このでは、いじめ問題が日だけではなく海外でも、特に北欧諸国では日よりも古くから熱心に研究されている問題であることを指摘し、その海外と国内との様々な研究の比較から、いじめ問題の現状と課題を浮き彫りにしていく、様々な発見がある一冊となっている。 いじめに類する現象は古くから起きていたが、日においていじめが社会問題化したのは八〇年代半ばのことであったとされる。この最初期のいじめ問題に対する対応の間違いが日いじめ問題対応について後々まで悪影響を及ぼすことになった。書では以下の三点が指摘される。 第一に冒頭で挙げた『いじめは日固有の問題であり、海外いじめ

    「いじめとは何か―教室の問題、社会の問題」森田 洋司 著 | Kousyoublog
  • 重巡洋艦「足柄」の呼称「飢えた狼」についての新たな発見まとめ | Kousyoublog

    旧日海軍の重巡洋艦「足柄」のニックネームとして知られる「飢えた狼」について、最近、次々と新資料の存在が明らかになっていることが、話題になっていました。以前「艦これの愛すべき残念美人、重巡洋艦「足柄」はなぜ「飢えた狼」なのか」という記事を書いたこともあり、改めて最近明らかにされた情報をまとめておきます。 詳しくは、 「重巡洋艦「足柄」さんは別に飢えていなかった – Togetterまとめ」 「【小報告】小林宗之助司令官の講演と「飢えた狼」について : 「飢えた狼」の探索」 有村悠さん、若林宣さんによる発見を中心に、足柄の「飢えた狼」について情報がまとめられています。 英国空母イーグルと比較しての「狼」 上記の記事を書いてからも少し「飢えた狼」発言が無いか英国の当時の新聞記事等検索してみたのですが、やはり見つからないままでした。今回明らかになったのは、「国立公文書館アジア歴史資料センタ

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  • 江戸幕府末期の財政状況がわかる図 | Kousyoublog

    う~ん… 内容豊富も目次粗放、索引なし あくまでも受験用の参考書だな 目次不備、索引なし、内容豊富だが問題点も 上は享保15年、下はその約100年後、江戸幕府末期の天保14年の幕府財政状況です。 享保15年は徳川吉宗による享保の改革の真っ只中。吉宗が将軍就任の前の時点は、幕府は五代綱吉のころの米価下落と綱吉から七代将軍家継までの間に膨らんだ財政赤字、さらにとどまるところを知らない物価上昇などによってそれまでの蓄えをい潰してしまっているという状況でした。 そこで、将軍就任後、倹約と増税(年貢を五公五民にする、定免法による年貢収入の定率化など)による財政再建を行い、成果を出し始めたのがこのころ。農民への年貢取立ては苛烈を極め、「胡麻の油と百姓は絞れば絞るほど出るものなり」とは享保の改革で辣腕を振るった勘定奉行神尾春央の有名なセリフですが、当然、増税に対して一揆なども頻発していたと言いま

    江戸幕府末期の財政状況がわかる図 | Kousyoublog
  • 「武術『奥義』の科学 最強の身体技法」吉福康郎 著 | Kousyoublog

    一般的なスポーツと違い、どうしても精神論に傾きがちな各種武術――主に、合気道、柔道、八極拳や太極拳などの拳法、居合や剣道などの剣術が中心――の身体の動き、特に奥義と呼ばれるような信じがたい動きについて、バイオメカニクス――身体運動を力学・解剖学・生理学から研究する学問――的に分析してわかりやすく解説した一冊。 武術「奥義」の科学 最強の身体技法 (ブルーバックス)[Kindle版] posted with ヨメレバ 吉福康郎 講談社 2013-11-08 Kindle Amazon[書籍版] 武術を習得するとは、「体の使い方を質的に変える」(P15)ということだという。これを、「筋骨格構造に基いた身体の合理的な動きの観点から解明」(P15)しようという試みがなされている。人体の構造からはじまり、筋肉と骨格とがもたらす様々な力学的運動の解説は人体の不思議入門・力学入門といった雰囲気があって

    「武術『奥義』の科学 最強の身体技法」吉福康郎 著 | Kousyoublog
  • ナショナリズムを考える基本としての四類型と日本の単文化主義 | Kousyoublog

    アーネスト・ゲルナー著「民族とナショナリズム」 「ナショナリズムとは、第一義的には、政治的な単位と民族的な単位とが一致しなければならないと主張する一つの政治的な原理である。」(P1) 「端的に言って、ナショナリズムとは、エスニックな境界線が政治的な境界線を分断してはならないと要求する政治的正統性の理論であり、なかんずく、ある所与の国家内部にあるエスニックな境界線によって――これは原理を一般的に定義したときに、正式にはすでに排除された偶発的なケースではあるが――権力の握るものが他の人々から切り離されてはならないと要求するそれである。(P2)塩川伸明著「民族とネイション―ナショナリズムという難問 (岩波新書)」(P22-26)によると、以上のアーネスト・ゲルナーによるナショナリズムについての定義を前提として政治的単位=国家の領域と民族的な範囲=ある民族の分布範囲の空間的な大小関係を基準とした場

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  • なぜ崇徳上皇は怨霊になったのか? | Kousyoublog

    保元元年(一一五六)、後白河天皇との対立によって発生した政変「保元の乱」に敗れた崇徳上皇は讃岐国へ配流となる。わずかな女官らとともに極楽浄土への往生だけを願いとして静かな余生を送り、長寛二年(一一六四)、その不遇の生涯を閉じた。「思ひやれ 都はるかに おきつ波 立ちへだてたる こころぼそさを」(風雅和歌集)心細い思いを歌に詠み、失意のうちに亡くなった孤独で無力な元天皇が怨霊となったのは、安元二年(一一七六)年から翌安元三年(一一七七)にかけてのことだという。この頃京都には不穏な空気が蔓延していた。安元二年六月十三日  二条天皇の中宮高松院妹子死去 安元二年七月八日   後白河院の女御で平清盛の義妹建春門院滋子死去 安元二年七月十七日  後白河院の孫、第七十九代天皇であった六条院が十三歳の若さで死去 安元二年八月十九日  近衛天皇の中宮九条院呈子死去 安元三年四月十三日  延暦寺の僧侶による

  • 1920-30年代日本の失業問題と失業対策を断固拒否した財界人の意見まとめ | Kousyoublog

    公開日: 2013/08/16 : 最終更新日:2014/02/13 カテゴリー:歴史・宗教 タグ:世界恐慌, 労働, 吉川弘文館, 大正, 日史, 昭和, 第一次世界大戦, 経済, 近代, 関東大震災 最近読んだ加瀬和俊著「失業と救済の近代史」で、1920~30年代に社会問題化した失業問題についての当時の財界を代表する人々の発言がとても興味深かった。まずは背景として1900年~1930年ごろの日経済情勢概観を簡単に。(参考書籍は記事下の加瀬、浜野、伊藤、松元著)政府財政は発足時から慢性的な財政赤字を抱えており、1895年の日清戦争の賠償金で一息ついたものの、1899年の恐慌、1900年の金融危機、日露戦争の戦費負担、輸入超過による正貨流出問題、地方振興・インフラ整備のための財政支出の拡大など構造的問題をいくつも抱えており、文字通り財政危機にあった。と、ここで山積する諸問題に一つ一つ

  • 外見的立憲主義型市民憲法としての明治憲法の限界 | Kousyoublog

    近代市民憲法は、権力の濫用を阻止し、人権の享有を確保することを課題とする。憲法という名称の法典が存在しているにもかかわらず、その課題にこたえる内容を欠いている市民憲法を「外見的立憲主義型の市民憲法」という。「外見的権利保障」は、憲法の保障で国民の権利が保障されているにもかかわらず、権力に十分に対抗できない権利の保障をいう。(注1) 十九世紀、市民革命と産業革命によって市民憲法を整え、資主義経済を浸透させた英米仏の国力は他を圧倒しつつあった。後発国としてそれを追う立場のプロイセンは革命を経ずに近代化を行う「上からの近代化」路線を取る。 「封建的土地貴族のイニシアティヴにより、封建的土地貴族と農奴の関係をそのまま資・賃労働関係に再編成し、政治的にはそれに対応する外見的立憲主義の憲法によって立憲体制の外見をほどこすという、近代化のしかたである。」(注2) そのため、可能な限り旧い原理が温存さ

    外見的立憲主義型市民憲法としての明治憲法の限界 | Kousyoublog
  • ティーパーティ運動のキマイラ化を成し遂げた「憲法保守」概念 | Kousyoublog

    過去三回の記事と同様「ティーパーティ運動の研究―アメリカ保守主義の変容」から、今回はChapter7梅川健氏論文『ティーパーティ運動と「憲法保守」』から、ティーパーティ運動を一つにつなぐ役割を果たしている「憲法保守」概念についてまとめ。 反大きな政府運動であり、リバタリアン運動であり、ポピュリズム運動であり、保守主義運動であり、草の根運動であり、中流層の運動であり、またソーシャルメディア運動でもある、いわばキマイラ的ないくつもの顔を持つティーパーティ運動には二つの相容れない潮流がある。ひとつが政府の介入を嫌う「経済保守」、もうひとつがモラルや価値に対して政府が介入するべきと考える「社会保守」である。この二つをアクロバティックにつなぎ合わせる概念として登場したのが「憲法保守」であった。 「憲法保守」は保守系シンクタンクであるフーヴァー研究所のピーター・バーコウィッツが二〇〇九年に提唱した概念

    ティーパーティ運動のキマイラ化を成し遂げた「憲法保守」概念 | Kousyoublog
  • 幸福を求めてしまう哀しみ~「ねずみ男の冒険」水木しげる著 | Kousyoublog

    水木しげるがマガジンデビュー前の1964~65年頃にガロや忍法秘話など貸漫画に発表した短編を中心に編集した短編集。のちに世間知の権化ねずみ男として人気を博すことになる頭巾姿のキャラクターに人間たちが翻弄される様子をシニカルに描いた作品がずらりと揃っています。 収録作品は以下の18作。「勲章」「合格」「はかない夢」「神変方丈記」「ああ無情」「不老不死の術」「夢の糧」「幸福の甘き香り」「空想石」「空のサイフ」「錬金術」「マンモス・フラワー」「「幸福」という名の怪物」「仙人酒」「心配屋」「悪魔の使者」「海じじい」「子供の国」 その収録作品の中から4作品を紹介。 「勲章」 ガロ第三号に掲載された作品。舞台は平安時代。ねずみ男は「とうとう人類の夢を実現したぞ」と空をヒョイっと軽やかに飛んで見せる。それを見ていた出っ歯メガネでお馴染みの太政大臣は、ねずみ男を国宝に認定して勲章を授けてしまう。実は

    lotus3000
    lotus3000 2015/06/08
    傑作、小中学生にこれらを読めたことは幸いだ。
  • 「時をかける少女」筒井康隆 著 | Kousyoublog

    以前「戦国自衛隊」の原作小説を紹介したが、作も同様に、映画で知っているものの原作小説は読んだことがないという作品の一つだった。特に映画が有名すぎて、そして幾度と無く映像化されていることもあって、傑作だとの評判は聞いていたものの、手が出ずにいた。 作を筒井康隆が発表したのが1965年で丁度五十年前、僕が知ったのは1983年の原田知世主演映画だから、それでも三十年余りの間読まずにいたわけだが、こういうこそ読んでおこうと最近思うことが多いので、遅ればせながら読んでみた。どこを切り取っても全く古びたところがなく――せいぜいヒロインの名前(芳山和子)が古臭いぐらい――、当に面白かった。 kindle版 時をかける少女 角川文庫 posted with amazlet at 15.05.30 KADOKAWA / 角川書店 (2012-10-01) 売り上げランキング: 4,596 Amazo

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  • 「赤頭巾ちゃん気をつけて」庄司薫 著 | Kousyoublog

    およそ十年ぶりに読んでみた。以前ブログに感想を書いていたのだけれど、いい機会なので改めて感想をまとめてみる。 赤頭巾ちゃん気をつけて 改版 (中公文庫) posted with amazlet at 15.05.24 中央公論新社 (2012-12-19) 売り上げランキング: 12,089 Amazon.co.jpで詳細を見る 内閣府の調査によると高校生の携帯電話所有率は平成二十五年度で97.2%(うちスマートフォン82.8%)に上るのだそうだ。(参照)いまどきの高校生は、というか携帯電話の登場以来ここ十年ぐらいの子供たちは、携帯電話を通じて直接的に繋がっているといえる。 なぜ、いきなりこんなデータの紹介から入ったかというと、近年急速に廃れたのが、異性に電話をかけたらお母さんが出て特にやましいことはなにもないのにドキドキした、という体験なのだろうということだ。そして、1969年に書かれた

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  • 技術史からみた西南戦争 | Kousyoublog

    中岡哲郎「近代技術の日的展開 蘭癖大名から豊田喜一郎まで (朝日選書)」に日近代技術史から見た西南戦争について端的にまとめられていて面白かったので、簡単に紹介しておきたい。同書については同じく中岡哲郎「日近代技術の形成―“伝統”と“近代”のダイナミクス (朝日選書)」、石井寛治「日の産業革命――日清・日露戦争から考える (講談社学術文庫)」とともに日近代の持続的経済成長(いわゆる「日の産業革命」あるいは「後発工業化」と呼ばれる)の過程についてなんらかまとめたいと思っているので後日がっつり紹介するつもり。戊辰戦争が終わり、明治新政府は富国強兵のスローガンの下、士族の解体から徴兵制の施行に至る国民軍の形成過程を突き進むことになるが、同時に各地に兵器工場の開設が計画された。明治三年(1870)に開設された大阪砲兵工廠もその一つで、後に東京砲兵工廠と並ぶ二大砲兵工廠へ発展していく。さて

  • 「ドキュメント アメリカの金権政治」軽部 謙介 著 | Kousyoublog

    2012年に行われたアメリカ合衆国大統領選・議会選では合計で六〇億ドル(約四八〇〇億円)もの政治資金が集められたという(参考)。小国のGDPを軽く凌駕(例えば2012年のギニアのGDPが五六億ドル(参考))するほどの選挙費用からわかるように、アメリカ政治にはとにかく金がかかる。 上記の六十億ドルが史上最高額であったように選挙のたびに増大する一方の選挙資金、様々な利益団体の利害を代表して政治家に請願を行うロビイストたちの活動、地元への利益誘導のために予算分捕り合戦に血道を上げる政治家たち、繰り返される汚職、そして飛び交う金金金・・・そんな、現代アメリカの金権政治の実情を様々な事件・資料をもとに描き出していて、とても面白い。 ドキュメント アメリカの金権政治 (岩波新書) posted with amazlet at 14.02.12 軽部 謙介 岩波書店 売り上げランキング: 382,02

  • イスラム原理主義思想の父サイード・クトゥブの生涯 | Kousyoublog

    9.11事件を起こしたアル・カイーダを始め世界中でテロを繰り返し、アメリカを始めとする欧米諸国と対立を深めるイスラム原理主義勢力ですが、その原理主義思想はさかのぼるとたった一人の思想家にたどり着きます。男の名はサイード・クトゥブ。イスラム原理主義思想の父と呼ばれ、主なイスラム原理主義団体の殆どが彼の思想をベースにしています。その彼の悲劇的な生涯は果たして何を生んだのか。1)青年時代クトゥプは1906年、エジプトのナイル川上流、貧困地帯として知られる上エジプトのアスユート県の貧しい村で農民の子として生まれました。彼の父は農民とは言え、比較的豊かで、かつイスラム学を学んでいることから村の知識人として尊敬を集めていました。そんな父の影響もあってかサイード少年は、10歳でコーランを暗唱するなど知識欲が強く将来を嘱望されていました。1919年、クトゥプ一家は土地を売ってカイロ近郊に移住。サイード・ク

    イスラム原理主義思想の父サイード・クトゥブの生涯 | Kousyoublog
  • 「なぜ政府は動けないのか: アメリカの失敗と次世代型政府の構想」ドナルド・ケトル 著 | Kousyoublog

    米国の行政機構が機能不全に陥っているのはなぜか。著者の母ミルドレッドが亡くなるまでの終末期に活用し十分すぎるほど機能した福祉制度と2006年に米国を襲い甚大な被害を出したハリケーン・カトリーナの対応という一見かけ離れたふたつの事例をとっかかりにして、その両者に共通する行政機構のミスマッチ、すなわち『直面している重要な課題が、多くの場合、これまでその対応のためにつくりだしてきた制度に合っていない』(P26)という現状について、鋭く分析、その処方箋を提示する一冊。著者ドナルド・ケトルは米国の公共政策論・行政学の第一人者。 なぜ政府は動けないのか: アメリカの失敗と次世代型政府の構想 posted with amazlet at 15.01.11 ドナルド・ケトル 勁草書房 売り上げランキング: 748,452 Amazon.co.jpで詳細を見る ミルドレッドのケースとハリケーン・カトリーナの

    「なぜ政府は動けないのか: アメリカの失敗と次世代型政府の構想」ドナルド・ケトル 著 | Kousyoublog
  • 徴兵制推進論と「想像の共同体」化する「世代」 | Kousyoublog

    断続的に話題になる徴兵制だが、実際施行されたら武器の扱いや格闘術に練達した若者が社会に溢れる訳だけど、おそらく兵役に就かないであろう徴兵制を主張する主に年配の、社会的地位が比較的高い人たちは、果たしてその現実に冷静でいられるだろうか。彼らは自身よりはるかに高い戦闘能力を持った「キレる若者」にいつ襲われるかという猜疑心に支配され、拭うことのできない不安な日々を送ることになる。問題は若者の軟弱さにではなく、自身が抱く「若者」という想像上の集団に対する不信であろうから、徴兵制を声高に叫ぶことで自身のその不安から目を背けるのではなく、正面から向き合わない限りその不安は増大する一方だろう。まぁ、そんな自己の客観視が簡単に出来るのならばだれも苦労はしないだろうし、徴兵制を主張するまでには、その弱さを覆い隠すため幾重にも自己確信に到る「正しい情報」を積み重ね、自己の価値観を無謬なものにまで肥大化させてい

    lotus3000
    lotus3000 2015/03/07
    若者恐怖からくる徴兵制願望に対する反応。想像の共同体としての世代。