人は学校を卒業し社会人となったら、成長が止まってしまうのか。仕事などを通じて学習し、成長し続けはしないのか──。 こうした疑問から出発して、「大人の学習と成長」という新たな研究領域を創り出し、企業の人材育成担当者たちの注目を集めているのが、新進気鋭の教育学者、中原淳・東京大学大学総合教育研究センター准教授である。 大人の学習と成長について研究するだけでなく、大人が学習する機会をプロデューサーとして提供してもいる。東京大学で定期的に開催している「Learning bar@Todai」がそれだ。 企業などで人材育成を実践する実務家や研究者をゲストスピーカーとして招き、聴衆を巻き込んで大人の学習のあり方を議論する。毎回、200人の定員を大幅に上回る応募があるほど盛況だ。 このコラムでは企業の人材育成に新風を吹き込み続ける中原准教授が、実務家や研究者と対談し、大人の学習のあるべき姿や進化形を模索す