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ブックマーク / nix-in-desertis.blog.jp (12)

  • nix in desertis:安保法案は本体以外の話の方が興味深かったかな

    同性婚を認めない事務官が、一時収監された経緯(冷泉彰彦 | コラム&ブログ | ニューズウィーク日版) → 逮捕された事務官が民主党員だったのはちょっと驚き。民主党員であっても,政治リベラル以外を理由に民主党を強く支持する人なんてどれだけでもいる,というのは当たり前のことだが,先入観で共和党員だと思っていた。 → 件での個人的な感想は,結婚が人間の自然法的権利だとするなら,キリスト教的な聖なる紐帯としての結婚と,社会制度的な結婚は別物と考えて処理できない辺り,逆説的に「天賦人権論」は元でも「天賦」でしかないんやなぁと。あれっていきなり自然法を導入しても混乱するので,儒教的な「天」の概念を媒介して説明しようとした明治の思想家の発明だったはずだが,実は啓蒙思想自体も理神論によるか唯物論によるかで揺れるところはある。理神論による場合も,フランス革命時のジャコバン左派的な理性崇拝にな

    lotus3000
    lotus3000 2015/12/17
  • nix in desertis:分割統治の罠にひっかからないように

    ・「まるで異世界召喚」「内政チートや」…名著「ルワンダ中央銀行総裁日記」は「ライトノベル的に面白い」という切り口に反響(Togetter) → 『ルワンダ中央銀行総裁日記』は読まなきゃいかんなーと思った。 ・しゃいん氏が語るルワンダ中央銀行総裁日記著者、服部正也氏のアレな面(Togetter) → 一方でこういう話も。最初に挙げた方にも,服部氏のやり方として民族差別を活用した面もあるようなので,その辺りは念頭に置いて読むべきかも。 → それはそれとして,opqr◆XLjdU8ssbY氏の「やる夫ボツワナ」も,ヨーゼフPの「プレシデンテ春香のトロピコ建国日記」もそれぞれ名作なので,未読の人は是非。 ・やる夫はアフリカで奇跡を起こすようです(やる夫Wiki) ・辺野古に暮らす私たちの願い(ポリタス) → 基地の県外移設を希望する沖縄県民の主張も真実なら,こちらも一端の真実ではあろう。日政府が

  • nix in desertis:全文起こしする気力もわかない

    ・ついに今日からlivedoor Blogが完全無料!最上級プラン「PREMIUM」の利用方法をご案内します(livedoor Blog 開発日誌) → これは快挙だと思う。NAVERに買収されたときは今後どうなるのかと思ったが,そこからちょっとずつ使いやすくなっての,完全無料化。すばらしい。何度かはてなへの移転を考えたけど,この運営を信頼してしばらくlivedoorで続けようと思います。 ・ノイシュヴァンシュタイン城はなぜ世界遺産になっていないのか(Togetter) → 追記含めて至極妥当な説明で,どうしても登録するなら。やはり(i)と(vi)くらいだと思う,こじつけで。19世紀のロマン主義自体が完全に歴史的な物として扱う,つまり21世紀の視点から言って二重の追憶――19世紀には中世への憧憬があったということの証拠という扱いであれば(vi)は行けるかもしれない。実際には物の中世の城か

  • nix in desertis:『文明崩壊(ジャレド・ダイアモンド)』で気になったところ

    書評自体はこちら。私の指摘が合っているという自信もあまりないので,正誤表というよりは「ひとまず私が気になったところ」を列挙しておいた。読者からのさらなる指摘を待ちたい。論がひっくり返りかねないものから定訳でないものの指摘まで,とりあえず並べておいた。ページ数は文庫版に準拠,第三刷で見ている。引用文中の強調は全てブログ主による。 上巻 p.39 「ギリシアのミュケナイ文明や青銅時代地中海沿岸社会の滅亡と”海の人”の侵入」 → 定訳は”海の民”である。というよりも海の人という表記は初めて見た。この表記で,途端に書の訳に対する信用が下がったのだが,上巻ではこの種の翻訳ミスが意外と少なかった。 p.358 「ヴァイキング自身の言語(古ノルド語)でも,呼び名の語源となった”ヴィーキンガー”という単語は”襲撃者”を意味する」 → 自分の言語学は全くの専門外だが,ヴァイキングの語源は古ノルド語の「入り

  • nix in desertis:保守主義とは何か

    自称がつかなければ保守と名乗れないような状況は異常である。ここでは私の保守主義の定義を出すが,別にオリジナルというわけではなく,こんなことはバークが規定し,ディズレーリが実行し,マンハイムが再確認したところでしかない。これをもって私は「自称」を外すことにする。代わりに「古典的」でもつけようかと思う。 ・保守主義とは「漸進的な改革」路線である。改革を否定すればそれは事大主義となり,改革を過度に進めればそれは革新勢力となる。あえていうなれば,反原理主義と,最も急進的な改革としての(暴力)革命に対する抵抗=反革命が,保守主義にとってのほぼ唯一の理念と言える。 ・保守主義はそれ以外の特定の理想・理論を持たない。理想を掲げれば革新勢力になる。特に「平等」を掲げ理論で肉付けすれば,それは左派になる。「自由」を標榜すればそれは自由主義になるだろう。加えて,そこに宗教的論拠や民族主義を持ち込めば右派となる

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    lotus3000 2013/04/30
    中道左派はヨーロッパなら宗教社会主義を含んだ社民主義とあと国家の役割を重視するならニューリベラリズムあたりか。中間共同体をどう位置づけるかがポイントかな。イギリス労働党右派あたりが近いのかなあ俺は。
  • nix in desertis:「入試問題の正解(解答例・講評)は公開されるべきか」について

    ・入試問題の正解は公開されるべきか? (Togetter) これは論点が多岐にわたるので,じっくりと。私はTogetterの大勢の意見と同様に大学入試の正解(解答例・採点基準・講評)は基的に公開されるべきと考えている。その理由について以下に3つ挙げる。 1.最大の理由として,入試の透明性確保のため。 → Togetter中段にある「入試の場合、特に論述問題は、公表されていないルールを手探りで探しながらゲームに参加しているようなもの」というのは当にうまいことおっしゃる,という感じなのだが,このような現状があるから。入試が筆記試験でなされるのは不透明性の低さ,公平性の確保という観点からであるが,その筆記試験の採点基準が不明瞭なのはメリットを減らしている。最難関国公立・私立大の問題だと,指導者間で解答が大きく割れることもあり,しかもそれぞれに一理あるので,完全な正解例は大学側でしか把握されて

  • nix in desertis:キリエ・エレイソン(2) −魔法少女まどか☆マギカの私的解釈・感想

    『Fate/zero』1巻のあとがきで,虚淵玄が「エントロピーの増大でどうせこの世は終わってしまうというペシミズムのせいでバッドエンドしか書けない」とか言っていたときは,正直何いってんだこいつとしか思えなかったのだが,今ならばこのスケールで考えてればそりゃね,とは思えるようになった。 以下,ネタバレ全開。まず,いろいろ解釈の分かれているらしい12話の自らの解釈を提示し,前回のキリスト教的解釈がどの程度ネタで書きどの程度マジで書いたか開陳した後,適当に感想を述べ,最後に「それだけはないだろう」と思った解釈にだけ少しだけ反論して締めることにする。 虚淵の新しいものを見せる,というのは全くの嘘で,作は最初から最後まで,あくまでも「虚淵と,彼の周囲に存在した作品群の集大成」であった。一つ一つの要素を分解していけば,『Fate/stay night』に『鬼哭街』,果ては『Stein's Gate』

  • nix in desertis:キリエ・エレイソン −キリスト教的に解釈するまどか☆マギカ

    ・洗礼者ヨハネとしての巴マミ イエス=キリストには先行する導き手として,洗礼者ヨハネが存在する。彼は律法を遵守することに固執していた当時のユダヤ教を批判し,神の恩寵が近いことを預言し,大衆に説いた。最もクローズアップされる功績は,ヨルダン川でキリストに洗礼を授けたことである。それゆえに「洗礼者ヨハネ」と呼ばれるようになった。また,彼はその死についても注目を集めやすい。時のユダヤ王,ヘロデに捕らえられ,斬首された。 さて,一方のマミさんも,後のキリストであるまどかと,ついでにさやかを魔法少女に導き,殉職した。今考えれば完全に伏線なのだが,首チョンパが共通点とか想起できるはずがねぇだろということと,それ洗礼の意味違うよぶっさん,ということはここで言っておかねばなるまい。しかしそうするとポジション的にシャルロッテがサロメになるわけだが,二次創作で二人(?)が仲良く描かれるのが流行しているのを見る

    lotus3000
    lotus3000 2012/11/04
    半分ネタ考察。
  • nix in desertis:絶対王政について

    絶対王政はルイ14世があまりにも有名であるため,またその名前のイメージから,専制君主との区別がついていない人が多い。実際には,絶対王政と専制君主は根的に異なる。 絶対王政は,中央集権化・近代化の過程で西欧に出現した特殊な政体である。中央集権的な国家体制とは何かといえば,少なくとも前近代においては国家に直属する官僚制と常備軍にほかならない。言うまでもなく常備軍こそが国内外で国家の権力を裏付ける軍事力であり,これを維持するための徴税機構として整備された官僚制が必要であった。しかし,これだけならば近世アジアに出現した専制君主国家でも共通する要素であり,絶対王政に特有のものではない。 西欧で出現した絶対王政は,まず極端な封建制社会から脱して,長い時間をかけて中央集権化していったこと。そして,大航海時代以降急速に力をつけた市民層が,既存の権力層とは別に社会の主役として登場してきたこと。この2点が他

    lotus3000
    lotus3000 2012/11/04
    絶対君主制と専制君主制の違い。特に近世ヨーロッパに発生した政体についての説明。
  • nix in desertis:南北アメリカの歴史的相違点

    ・何でブラジルは豊富な資源や広大な農地があるのにアメリカみたいになれなかったんだ(歴史的大敗) 少なくとも民族性や気候のせいにするのはちょっと。まあそういうものも必ずしも無きにあらずという気もしつつ,と思ったので取り上げる。マジレスすると南米が経済発展しなかったのは長く続いた地主制(カウディーリョ)のせい,というところでおおよそまとめられると思う。独立はしたけれど,政治的独立は必ずしも経済的独立とは言えない,という話。また,ブラジルがBRICsにカウントされているように今後のことはわからないので,「今南米に『アメリカ合衆国』が存在しない理由」に絞って話をする。 植民地は「一次産品,農産物を国に送り,かつ国の工業製品を買わせる」という意味合いが強いので,普通国のほうで縛って商工業は発展させない。よって,自然と地主が現地民をこきつかって農産物を量産する,プランテーション経営が成立しやすく

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    lotus3000 2011/08/08
  • nix in desertis:地政学(4):朝鮮半島はなぜ長らく大陸型の国家であったか?

    朝鮮半島は奇妙なのである。半島国家は大きな歴史的事情がない限り,多くの場合海洋国家的性格を持つ。ところが,朝鮮の諸王朝はそのほとんどが大陸国家的な性格を有した。朝鮮人はあまり外海へ漕ぎ出そうとはしなかった。その理由や例外の発生は,朝鮮半島の自然地理的条件と,歴史的条件,その両方に求められるように思われる。結論からずばっと書いてしまってもよいのだが,あえて朝鮮半島の歴史を概観することで検証していきたい。 朝鮮半島の歴史をどこから始めればいいのかという問題は一つあるのだが,衛満による朝鮮やそれ以前のあったかどうかもわからない王朝はテーマにおいて瑣末なものであるので(海洋利用の未発達),三国分立あたりから始めることとしたい。知っての通り高句麗はツングース系の民族であるので,これは大陸国家である(というよりも,朝鮮によらず半島北部は大陸国家的になりやすい)。 残るは新羅,百済だが,両国は日との

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    lotus3000 2010/09/15
  • nix in desertis:江戸時代と米本位制

    ・世界初!愛知県豊田市で誕生したコメ兌換通貨の凄味〜「腐るおカネ化」で流通の加速を目指す(ダイヤモンド・オンライン)(Yahoo!ニュース) 自分以外も何人か指摘していたが,これは要するに江戸時代の制度とほぼ同じである。江戸時代は金銀複位制だったということになってはいるが,実際のところは金銀米複位制だったというのが適当だろう。 誤解を恐れずざっくり説明すると,江戸時代は身分・階層・地域によって貨幣が異なっていた。武士は農民から米を現物で徴税し,それを上方(大阪)で換金。西日の通貨は銀貨であったためここで銀貨に変わるが,さらに東日・江戸幕府及び各大名は金貨を正規の通貨としていたため,これをそれぞれの歳入とする折,もしくは東日の商人に流通させるべく,両替がなされる。この一連の兌換にかかわって大もうけしていたのが両替商である。大名や大商人への貸し付けもやっていたから,すでに銀行とほぼ同

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    lotus3000 2010/09/14
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