【バルセロナ=瀬川茂子】iPS細胞(人工多能性幹細胞)から体のさまざまな細胞を作って移植する際、元になる細胞の種類によって、腫瘍(しゅよう)のできやすさに違いがあることを、京都大の山中伸弥教授らが突き止めた。iPS細胞の応用では、腫瘍ができる危険を減らすことが課題になっており、元の細胞をうまく選ぶことで、安全性向上につながると期待される。 この成果について9日、バルセロナで開催中の国際幹細胞学会で発表した。 山中教授や慶応大の岡野栄之教授らは、マウス胎児の皮膚や大人のしっぽや胃、肝臓など様々な細胞をもとに、36種のiPS細胞を作った。それらのiPS細胞から、神経のもとになる細胞を作り出して、マウスに移植して、腫瘍ができるかどうかを調べた。 その結果、しっぽの皮膚の細胞から作ったiPS細胞では、8割以上で腫瘍ができたが、胎児の皮膚から作ったもので、腫瘍ができたのは4割以下、肝臓でも腫瘍
文部科学省は、様々な臓器の細胞に変化する新型万能細胞(iPS細胞)を集めたバンクを2012年に設置する方針を決めた。 様々な性質を持つiPS細胞を大量にそろえ、世界の研究者の要望に応じて配布できる体制を整える。 iPS細胞に特化した本格的なバンクの設置は世界初で、初期の整備費用を10年度予算案の概算要求に盛り込む。 バンクは、理化学研究所バイオリソースセンター(茨城県)に建設中の新施設に設置される予定。 文科省は、国内研究機関に対する今後2年間の目標として、安全で臓器に変化する能力の高いiPS細胞の作製法の確立などを掲げており、この間にできた細胞を同センターが大量に培養して各地に安く配布する。 病気のメカニズム解明に使える患者由来のiPS細胞も取り扱う。 iPS細胞は、がん化の危険性を減らすために、いくつもの作製法が世界で開発されている。作製法が違うと、臓器への変化しやすさが異なることも分
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さまざまな細胞に分化するヒトの人工多能性幹細胞(iPS細胞)を遺伝子やウイルスを使わず、たんぱく質だけで作ることに、米ハーバード大などのチームが成功した。マウスでは米独のチームが4月に初めて成功を報告しているが、ヒト細胞では世界初。遺伝子の影響などで起きる細胞のがん化を防ぎ、治療用に使える安全なiPS細胞の作成にまた一歩前進した。29日、米科学誌「セル・ステムセル」電子版で発表した。 金洸秀(キムカンスー)・同大准教授らの研究。山中伸弥・京都大教授が開発したiPS細胞は、四つの遺伝子をウイルスを使い細胞の核に入れて作られた。しかし遺伝子や運び役に使うウイルスが予期せぬ働きをし、細胞ががん化する恐れが高く、遺伝子、ウイルスなしの作成法が模索されてきた。 金准教授らは、山中教授の4遺伝子にアミノ酸の一種、アルギニンなどをつなぎ、ヒトの細胞膜を通り抜けやすい性質を持つよう改造。この遺伝子を、
京都の大学院生改め一研究員改め一大学教員が贈る、夢の未来への軌跡。 人工多能性幹細胞(iPS細胞)や胚性幹細胞(ES細胞)などの万能細胞、クローン、生殖補助医療技術 についてのトピック紹介・論文解説。 新型万能細胞(iPS細胞)を開発した山中伸弥・京都大教授のグループが、同じ万能細胞のヒト胚(はい)性幹細胞(ES細胞)を用いた研究を国内でも始めることが分かった。 グループの高橋和利助教が13日、川崎市で開かれたシンポジウムで明らかにした。 ヒトES細胞をめぐっては、オバマ米大統領が9日、難病治療に役立つとして、前政権が制限していた研究助成を解禁する大統領令に署名、米国での研究が一気に進むと予想されている。山中教授も本格的に参入することで、万能細胞を用いた再生医療の実現に大きく弾みがつきそうだ。 iPS細胞の作製や培養は、ES細胞の研究成果を利用しており、研究推進には、ES細胞との比較が欠か
様々な細胞に変化できる「新型万能細胞(iPS細胞)」作製に必要な遺伝子の一部を、人工的な化学物質に置き換えることに米ハーバード大学などの研究チームがマウスの実験で成功した。 24日に東京大学で開かれたシンポジウムで発表した。米スクリプス研究所グループに次ぐ成果で、遺伝子を使わない、より安全性の高いiPS細胞づくりが加速しそうだ。 山中伸弥京都大教授が当初開発したのは、4遺伝子を組み込んだウイルスを体細胞に入れてiPS細胞を作製する方法。だが、ウイルスを使った細胞を臨床応用した場合、がん発症の危険性が指摘されている。すべてを化学物質に置き換えれば、ウイルスを使わずにすむ。 ハーバード大のケビン・エッガン准教授らのチームは、4遺伝子のうちiPS細胞作製の中核的な役割を果たす「Sox2」と置き換えられる化学物質を探し出すことに成功。これと残りの3遺伝子で、Sox2よりも効率よくiPS細胞を作製で
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